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大切な人の守り方  作者: 眞虎
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行動と起因

ープロローグー

朝、起床の声で目が覚める。真四角な部屋、天井の埋め込まれた蛍光灯が朝を告げる。

「ここは?」と一瞬、自分がどこにいるか戸惑う。

そこは鉄格子と金網で前面を他三方は温もりを持たない冷たいコンクリートに覆われ、扉には固く鍵がかけられた部屋。

自由という二文字は記憶から消さなければならない場所だった。

名を九条榊という、26歳の青年は留置場にいた。

遡ること半年前。家に帰ると居るはずの彼女がおらず、携帯電話を探す。榊は国分寺のマンションで彼女と同棲している。

スカウト会社ーカルマーを経営する榊の元には、若い青年が二十人ほど在籍している。

「あれ?いねぇや、遊びにいっててもそろそろ帰ってくるころなんだけどなぁ?連絡もきてねぇや。なにやってんだ綾乃?」

腕時計に視線を落とす、23時を回っている。

電話をかけるが繋がらない。そこで榊は不安になる。

「直留守??」

同棲して二年になるが、ただの一度も連絡がとれなくなったことはなかった。

さらに不安が増す。そこで榊は社員の一人で専務を任せ、若者を纏める桃田翔に連絡してみることにした。


「もしもし、お疲れ様っす!!どうかしました?」

「俺だけど今どこ?」

「歌舞伎町でまだ声かけてますけど何かあったんすか?」

「綾乃見かけてねぇ??」

「いや、昼頃に挨拶しましたけどアルタ前あたりで、友達と一緒だったんで、まだ遊んでるんぢゃないっすか?」

「そうか、携帯が繋がらねぇんだよ。」

「まじっすか??そしたら連絡網回して情報集めますか?」

「そうだな、何かあったら面倒くせぇからそうしてくれ、何人くらい歌舞伎に残ってる?」

「とりあえず終電までは全員残すつもりです。」

「わかった、なんか情報入ったら連絡くれ、俺も今から歌舞伎町向かうから。」

「わかりました。それぢゃ失礼します。」

榊は車の鍵を手に部屋を後にする。ーもう一つの事件ー

榊がS600Lを飛ばし歌舞伎町に向かっている時、高円寺の自宅で立ち尽くす友人、天海健吾がいた。

風呂を出てみると居候の藤咲修とテーブルの上に置いた筈の財布がまるで最初からそこに存在しなかったかのように消えていたのだ。

「えっ?えっ?修??修!!おい!!!」

当然、返事など帰ってくる筈もなく、急いで玄関に向かうと、鍵が開いていた。修は財布をもって出て行ったのだ。

抑えきれない怒りが込み上げ、憤りを覚える。心を落ち着かせる為、タバコを咥え大きく吸い込む。それでも動揺を隠せない健吾は何とか落ち着きを取り戻そうと思考する。

何とか探せないだろうか?と考えた健吾は榊に電話してみることにした

「榊、健吾だけど今、少しいいか?」

「おぉ、健吾か。どうした?」

「居候いたの話たよな?そいつが財布持って消えた。」

「なんだって??財布持って消えた?なんだそのおもしれぇ事件は!」

「いや、笑えねーって!なんとかなんねぇかな?」

「わりぃ、わりぃ!俺も今、女が行方不明でよ、すぐには動けねーけど、どっか心当たりねぇの?」

「まぢか?大変な時にわりぃ、、、俺も力になるわ、抱き合わせで捜索すっか!!」

「おっ助かるわ!ぢゃ高円寺だろ?歌舞伎町来れるか?」

「歌舞伎町だな、分かった!これから向かうわ、とりあえず着いたら連絡入れるから、それじゃ」

「了解、待ってるわ、気をつけてな」

榊はその時、何かを感じていたがそれが何なのか分からずにいた、

たった一本の電話で歌舞伎町に集まる榊と健吾。数年前、歌舞伎町で名の通った二人が今夜、再び過去のブレーンを稼働させる。

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