1 出会い
小さな町の小さな港と、ある旅船をつなぐ板の上を、ギシギシと音を立てて慎重に男たちは登っていく。船に足を踏み入れようとした瞬間、
「お帰り、皆の衆…!」
聞き慣れた声が。顔を上げると、そこには男たちの頭とも言える存在、『エド兄貴』が腕組みをして仁王立ちしていた。茶色がかった金髪。コバルトブルーに近い深い青だが、透明で、とても綺麗な瞳をしている。
彼は口元は笑っていたが、船に帰ってきた仲間たちに対して怒っているようだ。
「お前らこんな朝早くになにしとったん?」
エドの問い掛けに男たちは皆苦笑いを浮かべている。
その様子を見てエドは続けた。
「今日未明にな、警告鐘が鳴っとったみたいでこの町の貴族の屋敷に盗賊が入ったっぽいんやけど…」
「でも!俺らは何一つ盗んでないんすよ!」
一人の男がエドに向かって弁解する。だが、エドはひとつ溜め息を洩らすと、
「…お前らは良い奴らだよ、まったく正直なんやから。やっぱりさっきのはお前らの仕業だったんだな?」
「「!!」」
ここで男は自らのミスに気付く。
「それに、盗まなかったじゃなくて盗めなかったんやろ、どーせ」
次いでに止めを刺されたので男たちはただ笑うしかなかった。エドに船に上がるよう指示され、半ば説教のようなものを浴びせられる。
「お前らなあ、何べん言ったらわかるん?盗みはいい加減止めろて。こんなことしよったらいつかお尋ね者になって、まともに商売出来なくなるんだぜ?」
「すいません…」
力なく男たちは答える。
遠くで誰かの叫び声が聞こえた。
「だいたい俺らの仕事柄と矛盾してるっ…」
ドスン!!
凄い音と共に我等がエド兄貴はその場に倒れた。




