資格試験
「何故資格試験を受けるのかって? そこに資格試験があるからだよ。いやいや、分かってる。ちょっとふざけてみたかっただけだよ。俺程の資格取得者が、これ以上資格を取ったり、試験に受かったりしてどうするんだって言いたいんだろ? 法律の資格もある。特許審査の資格もある。会計の資格もある。どれもこれも一つでも持っていれば、それだけで安泰と言われる難関資格の試験に受かってるさ。実際資格を活かして仕事にも就いている。これ以上は必要ないだろう。だけどね、趣味ってのはそう言うもんじゃないだろ? 俺はさ、ほら好きでやってるんだよ。どんな小さな資格でもとることに喜びを感じてしまうんだよ。それにしても節操がないだって? 資格人間だなって? そりゃ確かに上から下まで、色んな資格に手を出してるよ。だってほら、どんなものでもそうだろう。入手困難だと言われれば余計手に入れたくなる。皆が持ってるって聞けば、自分だけ持っていないのはいやになる。ものも資格も同じさ。ものはお金で買えるけど、資格は頭が必要だって? いいじゃないか。頭を使うぐらい。そこが見解の相違かだって? 好き好んで苦労する気がしれないって? もはや資格をとること自体が目的になっているじゃないかって? そうかもね。確かに資格を仕事に活かしたりする為よりは、資格をとるただその為に資格をとっているのは認めるよ。でもいいだろ、それが趣味なんだから。それにしてもだからって、こんな試験受けなくっていいじゃないかって? これ何の意味があるんだって? この資格試験、本当に必要かって? 何言ってんだ? 最高じゃないか? 何々資格試験ってのは、沢山受けてきたよ。でもこれはその中でも一番のお気に入りだ。何と言っても、資格資格試験なんだぜ。何? 間違いじゃないよ。資格資格試験だ。去年一年間で最難関だった資格試験は何か? とか。情報処理技術に関する国家資格はどれか? とか。色々問われるんだぜ。俺みたいな資格人間には最高だよ」