第84話 続・加山家の人々
激闘の後は、加山家の団欒――のはずが、新たな真実が明かされる。
“牙”との共闘、女神スカーレットの正体、そして久美の覚醒。
守りたい想いが、家族をさらに強くする。
第84話、お届けします。
加山家に着いた。
車を入り口につけ、正樹達を下ろす。
達也は車庫に車を移動させた。
「よく出来た車だ。流石、正樹だな」
車庫から玄関に入る達也。
「おいお前ら、早く家に入れよ」
「いや…それがその…」
達也が前に出ると由香里が仁王立ち
「お父さん、お母さん」
「おとうさん、久美姉」
「何で知らせてくれなかったの」
「由香里ちゃん…これには訳が…」
「由香里、落ち着け」
「由香里ちゃん…あのね…」
それぞれが由香里圧倒されている。
「由香里。そっちは済んだのか?」
達也が唐突に話す。
「倒した。大した事なかったかな」
「由香里の実力が認められた」
「"牙"とは共闘する事になりそうだ」
「由香里のおかげだ」
達也が由香里を認めた。
「ほら、玄関で立ち話しないの」
「リビングで話しましょう」
「お茶と何か食べるもの作るわ」
由香が皆を促す様に入っていった。
「最近、達兄って由香里の扱い上手い」
「性格をよく見抜いているよ」
「やっぱり"本当"の親子だからな」
「おとうさん。"牙"との共闘って」
「アメリカで暗躍している組織」
「Princess Kaguyaを潰す」
「それって今回襲ってきたアガレスト」
「アイツがいる組織って事?」
「ああ。そしてアガレストが生きていた」
「エリザベートの関与を考慮する」
「封印したはずでしょ」
「そのエリザベートが何故?」
「これは、俺の違和感でしか無いんだが」
「封印したのはエリザベートではない」
「女神スカーレットがエリザベート」
達也の言葉に一同沈黙した。
「さぁ出来ましたよ。パンケーキ」
「後はコーヒーね。紅茶もあるから」
由香が食事を持ってきた。
「さぁせっかくお母さんが用意したんだ」
「みんなで食べよう」
加山家では何より食事が優先。
「お腹いっぱいになったら眠くなった」
「お風呂入って寝るね。由香里も」
「久美姉1人で入れば良いじゃん」
「まだ話したい事があるの」
「明日にしようよ。あたしも話したいし」
「…うん。久美姉がそう言うなら」
「じゃあ一緒に入ろう。うふふ」
「またエッチな事するんでしょ」
「だったら一緒に…」
「つべこべ言わない。行くわよ」
由香里は久美に拉致られていった。
哀れ由香里の運命やいかに(笑)
「相変わらず久美は由香里大好きだな」
「由香里を守るのが自分の使命だと」
「自分の事も大切にして欲しいな」
「再婚した時は由香里病んでたしね」
「俺のせいだな。すまんな」
「たっくんは悪くないよ」
「神様の気まぐれだしね。良い迷惑」
「更に自分の身内だから尚悪い」
「2人とも自分を攻めるな」
「由香里の事を守るのは久美だって」
「言ったのは俺だからな」
「3人とも悪い親だな」
「反省しないといけないんだが」
「また巻き込んでしまっている」
「成長する我が子を見守るしかないな」
「背中を押してやるのも俺達だしな」
親バカ3人はまだ話が弾んでいた。
「由香里ちゃんまた大きくなったわね」
久美が由香里の胸を鷲掴みにしていた。
「久美姉。アガレストと戦ったの?」
由香里はいつもと違い冷静に話す。
「…うん。死ぬかと思った…」
久美も真剣に話し始めた。
「お父さんが私を庇って怪我をした」
「本当に血が沢山流れて…」
「どうして良いかわからなくて」
久美は涙ながらに思い出していた。
「でも、いま死ぬ訳にはいかない」
「由香里を守れなくなる」
「ううん。由香里と同じ位置に立てない」
「そんな気持ちが溢れ出て…」
「守りたい。守れる力が欲しい」
「そんな気持ちが溢れて止まらなかった」
「その時、私の奥から声が聞こえた」
「貴方の気持ちに答えたいって」
「その時、湧き上がる力で覚醒した」
久美は嬉しそうに話した。
「うん。わかる。私の時も同じ」
「意地悪な因子だよね」
「本当のピンチにならないと覚醒しない」
不満そうにでも嬉しそうな由香里。
「そうだね。意地悪だよね」
「由香里のパートナーは"アデュー"」
「私のパートナーは"リョウ"」
「これから一緒に成長しないとね」
久美と由香里は同じ気持ちでいた。
親の想い。子の想い。
お互いを守る気持ちは変わらない。
どんな事があっても乗り越えよう
親も子もそれぞれの中で誓うのだった。
次回…新堂家の面々も登場。
ご期待下さい。
今回は家族回+久美の覚醒掘り下げ回でした。
親の後悔と覚悟、子の決意と成長。
守るために強くなる――その想いは同じ。
次回は新堂家も本格参戦です。




