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第79話 もう1人の"英雄"

“英雄”という存在が、ついに裏の世界へと認識され始めます。

達也の一言が波紋を広げ、そして物語は次の段階へ。

今回は久美に焦点が移る前夜――

もう一人の“英雄”が動き出す回です。

「……これほどとは……」


ジェームズは、言葉を失っていた。


「これが、“英雄”だ」

達也は低い声で言う。


「で、“牙”はどこまで掴んでいる?」


唐突な問いに、ジェームズは答える。


「まだ何も……組織名だけだ」


「その名は?」


「Princess Kaguya」


「なるほど。クソ女神がらみ、か」


「ハッキング、強盗、爆破、銃乱射……なんでもありの組織だ」


「連絡は取れるのか?」


「いや。ただ、好んで使うSNSがある」

「Xだ」


達也は、少しだけ口角を上げた。


「じゃあ、投稿してくれ」

「“英雄が帰って来た”とな」


「……わかった」


ジェームズは作戦室へ連絡し、即座に実行させた。


「俺個人の見解だが」

達也は静かに続ける。

「道を極めた者同士、話せば理解できる。敵対しない限り、手を取り合える」


「さて、ジェームズ。どうする?」


「本部の判断には逆らえない」

ジェームズは正直に言った。

「だが……俺個人としては、貴殿たちに助力を願いたい」


「了解だ。じゃあ、またな」


達也はそれだけ言い、部屋を後にした。


「……軽すぎる男だな」


ジェームズは呆れつつ、本部へメールを送信する。


《評価:最大》

《戦闘力:計測不能》

《敵対の意思はこちら次第》

《共闘を提案する》


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


東名高速を走る一台の車。


「……お婆ちゃん……ごめんね……」

助手席で、久美は涙を流していた。


「……義母さん……」

正樹もまた、運転しながら目を潤ませる。


その時――

追越車線から、猛スピードのベンツが迫った。


ピタリと張り付き、明らかな煽り運転。


「後ろ……来てる」

「俺を狙ってる組織か……?」

「お父さん。次のインターで入って。トラックの影に」


富士川SA。

トラックの裏に停めた“ふり”をすると、

ミラージュコロイドで姿を消し、ベンツの背後へ回る。


正樹は、達也のために作った弓と同系統――

空気を圧縮して射出する装置を車に搭載していた。


背後へ回った瞬間、発信機を取り付ける。


再びトラックの影へ戻ると、

ベンツはそのまま走り去っていった。


「お父さん。次は清水ICで降りて、秋葉山公園へ」

「……そこで迎え撃つ」


“英雄”因子を持つ久美。 


これから伝説になる三人の“英雄”。

――最後の一人が、今、覚醒する。

第79話をお読みいただきありがとうございます。

静かに、しかし確実に世界が動き始めました。

達也、由香里に続く存在――久美。

次話では、その力の片鱗が明らかになります。

物語はここから、さらに加速します。

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