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第54話 騎士団VS魔王軍

王都を覆う静寂、その裏で蠢く魔王軍。

結界と戦力配置で迎え撃つ英雄騎士団だったが、この夜の戦いは“想定通り”では終わらない。

地下から始まる知略戦、その先に待つ本当の脅威とは――。

静かな夜だった。

あまりにも静かすぎる夜。


その沈黙の下、王都の地下では――

闇に紛れ、魔族たちが蠢いていた。


英雄騎士団は国王軍と連携し、王都城壁周辺に魔法結界を展開している。

それは敵を遮断するものではない。

侵入者の能力を低下させるための結界だった。


迎撃地点は、あくまで地下道の出口。

侵入口が分かっていれば、戦力配置は容易になる。


「第一部隊は地下牢。

 第四部隊は王城裏通路。

 第三、第五部隊は市街地だ。魔族を確認次第、即殲滅せよ!」


騎士副団長ラーハルトの号令が、夜気を切り裂いた。


⸻結界下の違和感


淡く脈動する結界に包まれた王都地下。

一歩、地上へ踏み出した魔族たちは、即座に異変を察した。


「……重い?」


魔力が鈍る。

身体が、思うように動かない。


だが――

気付いた時には、すでに遅かった。



地下牢・第一部隊


地下牢へと続く石階段。

そこへ魔族の小隊が差し掛かった、その瞬間。


「――今だ!」


号令と同時に、天井から光が降り注ぐ。

仕掛けられていた魔法陣が一斉に起動し、通路を封鎖した。


「封鎖完了! 前列、押し込め!」


狭所戦闘を想定した第一部隊の真骨頂だった。

盾兵が前進し、後方から剣と槍が正確に突き込まれる。


能力低下の結界下では、魔族は本来の力を発揮できない。

一体、また一体と倒れ、地下牢は瞬く間に沈黙した。


「第一部隊、殲滅完了!」



王城裏通路・第四部隊


王城裏へと続く隠し通路。

奇襲を狙う魔族が最も好む侵入口。


だが――。


「甘いな」


第四部隊隊長イライザの蹴りが闇を裂く。

飛び出した魔族の首が、宙を舞った。


背後からの奇襲を想定し、壁際には伏兵。

感知能力を削がれた魔族は、完全に読み切られていた。


「一体も逃がすな!」


短い激戦。

通路に倒れていたのは、魔族だけだった。



市街地・第三部隊/第五部隊


市街地では、散発的に現れる魔族を各個撃破。


「住民は避難完了! 戦力を集中しろ!」


屋根から降り注ぐ矢。

路地では魔法剣士が高速で斬り伏せる。


市街戦に長けた部隊同士の連携は完璧だった。

悲鳴を上げる間もなく、魔族は次々と消えていく。


「第三・第五部隊、確認区域――制圧完了!」


⸻違和感


次々と届く報告を聞きながら

副団長ラーハルトは眉をひそめた。


(……早すぎる)


被害は軽微。

連携も乱れない。


――だが。


「……弱い」


思わず、呟く。


「王都を攻めるにしては……あまりにも、だ」


その瞬間だった。


王城中庭の地面が、不自然に沈み込んだ。


⸻魔王軍の本命


轟音。

石畳が砕け散り、新たな地下道が口を開ける。


「成功ですな」


地下から姿を現したのは、魔王軍参謀エバンス。


「先行部隊で結界と戦力を把握。

 本隊は別ルートから、王都の心臓部へ――完璧です」


続々と姿を現す魔王軍主力。

重装の魔族、上位魔将、指揮官級。


「これで勝利は――」


その言葉は、途中で途切れた。


「……妙だな」


別働隊から、何の報告もない。


(全滅……? いや、そんな馬鹿な)


地下道の奥。

闇の向こうから、足音が響く。


――一歩。

――また一歩。


現れた影を見て、エバンスの目が見開かれた。


「……な……」


そこに立っていたのは、

本来なら四天王と交戦しているはずの男。


血の匂いを纏いながら、傷一つない姿。


「よう。探してたのは、お前らか?」


英雄・達也。


彼の足元には、

先行していた魔王軍部隊の骸が、山のように積み上がっていた。


王城中庭に、静寂が落ちる。


「なぜ、貴方がここに…」

エバンスは目の前の状況が信じられなかった。


「お前達の好きにはさせねーよ」


エバンス達魔族は恐怖を肌で感じていた


そして――

戦場は、再び動き出した。


第54話、騎士団VS魔王軍編でした。

順調すぎる迎撃、その違和感の正体、そして現れる“英雄”。

次回はいよいよ王城中庭で戦局が大きく動きます。

ここから一気に加速しますので、ぜひ続きもお楽しみください!

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