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第38話 最強親子戦場を駆ける

最強の父と、覚醒した娘。

戦場で交わる背中と背中――

ついに“最強親子”が並び立ちます。

親子だからこそ生まれる連携と想いを、ぜひお楽しみください。

「は、はいっ!」


由香里は短く返事をし、地を蹴った。


踏み込み。

加速。

迷いのない軌道。


次の瞬間、彼女の身体は戦場を一直線に切り裂く“光”と化す。


「幻日流・連環撃――!」


拳、肘、膝、踵。

すべてが“必殺”として叩き込まれ、魔物の巨体が次々と宙を舞う。


「な……」

「は、速すぎる……!」


英雄騎士団の誰もが、言葉を失った。


数で押すはずだった魔物の群れが、

少女一人の突入によって――崩壊していく。


「ギャアアアア!!」

「退け! あの娘から距離を――」


魔物たちが恐慌に陥る中、

由香里は一瞬だけ、視線を上げた。


――父の背中が見える。


その瞬間。

胸の奥に、熱いものが込み上げた。


(……お父さんの戦場だ)

(……私も、隣に立つ)


由香里の闘気が、さらに跳ね上がる。



一方、その頃。


「ふん……まだ出てこないか」


達也は、砦正面の瓦礫の山の上に立っていた。

周囲には、すでに数え切れないほどの魔物の残骸。


「四天王ガニメデ……」

低く呟く。

「部下を盾にするタイプだな」


次の瞬間。


大地が――割れた。


「グオオオオオオオオ!!」


地中から現れたのは、

城壁よりもなお巨大な、四本腕の魔獣。


その背に鎮座する、黒鎧の魔人。


「ほう……」

魔人――四天王ガニメデが、低く笑った。

「英雄・達也か。噂通りの闘気だ」


「久しぶりだな」

達也は肩を回しながら答える。

「だが、今日は機嫌が悪い」


「なぜだ?」


達也は、ちらりと横を見る。

そこでは――

娘が、戦場を駆けていた。


「娘の初陣だ」

達也の声が、冷え切る。

「邪魔すんじゃねぇ」


次の瞬間。

達也の姿が、消えた。


「――っ!?」


ガニメデが反応した時には、もう遅い。


「英雄技・天衝砕!」


振り抜かれた拳が、

魔獣の頭部を――跡形もなく吹き飛ばした。


衝撃波が戦場全体を揺らし、

ガニメデの身体が宙を舞う。


「ば、馬鹿な……!」


だが、達也は追わない。


「――由香里」


呼ばれた瞬間、

由香里は理解した。


「はい!」


空中で体勢を変え、

全闘気を一点に収束させる。


「幻日流・極式――親子連撃!!」


父の拳が、先に叩き込まれる。

娘の一撃が、同時に重なる。


次の瞬間――

爆音と共に、ガニメデの身体が地面に叩きつけられた。


「ぐ……が……!」


生きている。

――だが、動けない。


達也は、ゆっくりと近づく。


「帰れ」

低く、だがはっきりと言った。

「そして伝えろ」


ガニメデの顎を掴み、無理やり顔を上げさせる。


「――英雄・達也は」

「――そして、その娘は」


一瞬、由香里が隣に立つ。


「もう、戦場に戻ってきたってな」


ガニメデの意識が、闇に沈む直前。

確かに見た。


――二人並び立つ、親子の姿を。



砦の上。


英雄騎士団は、ただ呆然とその光景を見つめていた。


「……あれが……」

「……最強親子……」


副団長ラーハルトは、静かに剣を胸に当てる。


「――この戦、我らの勝利だ」


そして、心の底から確信していた。


この親子がいる限り、

この世界は――折れない。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

戦場を駆ける由香里と、それを見守り導く達也。

親バカとファザコンが本気で並ぶと、戦場はこうなります。

次回も、親子の進化をお楽しみに。

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