表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/34

第一章 異世界の勇者 第1話 達也 ―魔王との戦い―

俺は、異世界を救った。

だが本当に救いたかったのは、現代に残した“娘”だった。

魔王を倒し、女神すら殴り倒した男――その名は、達也。

この物語は、世界を超えてつながる父と娘の絆の物語である。


魔王――現代では象徴的な悪の代名詞として使われる言葉。

だが異世界では、本当に「悪の頂点」そのものだった。


魔王を倒すことが、この世界を救うこと。

だからこそ俺は、異世界に呼ばれた。


……迷惑な話だ。

せっかく幸せに暮らしていたのに、異世界の危機だなんて理由で一方的に召喚されるなんて。


訴えてやる!――そう言いたいところだが、この世界じゃ俺たちの常識は通じない。

そもそも誰に訴える? 張本人は神、しかも女神だ。勝ち目なんてあるはずがない。


結局、文句を言ったところで現代に帰る術はない。

なら、魔王を倒して報酬をもらうしかないか……そう思うしかなかった。

でも本音を言えば、魔王を倒したら次は女神も倒してやろうと、心のどこかで考えていた。


女神から授かったギフトは規格外だった。

この世界のどんな生物も、俺を殺すことはできない――それほどの無敵っぷり。


俺が召喚される前、人類は領地の八割を魔王軍に奪われていた。

それが、俺が戦線に加わって一年。今では人類が八割を奪い返していた。


――そして、ついに魔王を討伐する時が来た。


幹部クラスの半分はまだ残っていたが、味方部隊が総力で足止めしてくれたおかげで、俺は魔王のもとへたどり着けた。


「女神の犬め……直接倒しに来たか」

魔王は鋭い目でこちらをにらむ。


『早くしないと手遅れになるんでな』

そう言い、俺は先制攻撃を叩き込む。


「そんな攻撃、通じると思うか!」

魔王は即座に反撃し、互いの攻撃がぶつかり合う乱打戦へともつれ込む。


俺は冷静に戦況を観察し、魔王に最大奥義を使わせる隙をうかがった。

わざと押され気味に見せ、隙を作り、不意打ちを食らったふりをして地面に倒れ込む。


「これで終わりだ!」

勝機と見た魔王が奥義を放つ。

――それこそが、俺の狙いだった。


『待ってたぜ……この時を!』

俺は魔力反転を発動、自分の魔力も重ねて威力を何倍にもして返す。


魔王の身体は半分吹き飛んだ。

「この世で最強の魔王が……なぜ、お前ごときに……」

瀕死の魔王が問いかける。


『本当に強いヤツは、自分が強いなんて思わねえ。ただ、やるべきことをやるだけだ』


魔王は最後までこちらをにらみつけたまま、静かに崩れ落ちて消えた。


魔王の死とともに魔王軍は降伏。

人類軍は勝利し、城では盛大な宴が開かれた。


皆が勝利の美酒に酔いしれる中、俺の周囲が突然まばゆく光り輝いた。


「……なんだ、これは――」


次の瞬間、視界が真っ白に染まる。


――続く。


――勝利の美酒に酔いしれる中、

俺の周囲が突然、まばゆく光り輝いた。


「……なんだ、これは――」


気づいたとき、そこは“女神の城”だった。


To be continued…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ