報連相
「ねーえー!先生ー!センセーに夏休みからクリスマスも年末年始もずっと会えないー!つまんないー!」
「学校で会ってるんでしょ?」
「そうだけどー!2人きりじゃないもんー!」
「増田はどうしたの…最初あんな思い詰めてたのに…」
「だって増田先生は僕じゃなくても良いんだもんー。井上センセーが僕に手を出してこないしさー抱いてくれないし。代わりに増田先生と寝てるから、ちゃんとまだ付き合ってるよー。」
「増田…なんか…哀れだ…あれだけ一途で純情だった人をここまで容赦なく変えてく時間って残酷だな…」
「センセーもしや浮気とかしてないよね!?」
「まあ、アイツの唯一の美点は一途な所だから心配しなくて大丈夫だと思うよ」
「何言ってんの!いっぱい有るんだから!可愛い所でしょー、話沢山聞いてくる所でしょー、ちゃんと叱れる所でしょー…」
「分かった分かった、もうお腹一杯、夢一杯…」
後はねー、皆に嫌われてても態度を変えずに人を叱れる所…
僕嫌われるの怖いからすぐ媚びちゃう…
ああいう正しい事なら自分を曲げないってのカッコいいって思う。
「センセーの事で何か分かったらちゃんと報告してよー!」
「ハイハイ…」
「ねえねえ、岩見の志望大学って分かる?」
後は…何だかんだで無茶振りのお願いも聞いてくれちゃう所とか…
困った顔も可愛いからつい困らせたくなっちゃう。
もう、そろそろセンセーだけにしたいなって思っていた。
卒業も近くなってきたしセンセーとすぐ会える高校いる間に決着つけたいと思った。
今のままだと多分自然消滅しちゃいそう…
増田先生と付き合ってる1人の華菜葉が明日友達と新しく出来た店に買い物に行くって約束してた。
自分から増田先生に別れ話を切り出す勇気が無かった。
受験が終わるまで塾にも行くだろうし…
何とか穏便?に増田先生から嫌われ様と策を練った。
「センセー、明日デートしよ!新しく出来た店、センセーと行きた〜い!」
「何かおねだりする気でしょ…別に良いけど僕しがない公務員だから高いものは無理だからね」
「わあい!やったあ!明日楽しみー!有難う!」
「ちゃんと伝わってるのかなあ…じゃあ明日ね。」
「はぁい!大好き!」
センセーに明日のデートの連絡を入れた。
「センセー!疲れちゃった!そろそろホテル入ろ?」
華菜葉を見つけてわざと聞こえるように大きめの声でセンセーに言って腕を組んで店を出た。
気配で付けてきているのが分かった。
だから近くのホテルまで実際行って入り口に入った。
カシャっ
と言う音がしたから多分撮影された。
好都合だった。
やっぱり口コミの噂だけだと信憑性に欠けるから、上手く使ってくれよと思った。
勢いでホテルに入っちゃったけどこれはチャンスかもと思った。
あわよくばセンセーとエッチしちゃえば卒業しても早々別れ話にならないかもと思った。
今の状況はただの友達関係に近いから卒業イコール別れになりそうで不安だった。
増田先生の事は決着つきそうだから今日はコッチに全集中…恋の呼吸だ。
「難波くん、増田の事で何か困ってる事とか相談したい事とか無い?」
えー、あるっちゃあるけど…
今増田先生のはなしぃー?
折角のこのエロいムードが台無しだなー。
まあ、流れで仕方なく前に渡されてたお菓子改め何かヤバそうな薬を渡した。
恋愛じゃ無くてお薬相談になってるかあ…
「難波くんはそれヤバいって分かってたんだよね?そんな物渡してくる増田の事、本当に今も好きなの?」
多分もう好きじゃない…
好きなのはセンセーだよ…
「ホテルに入って何もしないの?」
「うーん、そんな気分にはなれないなあ。」
その言葉を聞いてなんか悔しくなってセンセーにキスをした。
「うーん…やっぱり無理みたい…難波くんじゃ僕、勃たないみたい…」
そう言って自分の下半身を指差していた。
その後はショックでセンセーの言葉が殆ど耳に入って来なかった。
「他に…故意に盛られてたとしたら…どうなるか分からないけど…その時には一緒に考えてあげるから」
「…」
「じゃあ、寄り道しないで帰るんだよ」
こんな惨めな気持ちになってるのに…
僕の気持ちはセンセーには全然届いてない。
センセーから掛けられた心配、思いやり、優しい言葉だけはしっかり僕に届いていた。




