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しばしの別れ
夜空の月が低く落ちる頃、ルナは街を静かに歩いていた。
頭上にはアルバが大きな羽を広げて並んで飛ぶ。
「……アルバ、あの人は、もう戻ってこないのかしら」
ルナは低くつぶやく。ほんのわずかにわかるルナの寂しさ。
アルバは首を傾げ、低くホーホーと鳴いた。
「安心しなさい、ルナ。ルアンは離れたけど、いざというときには必ず助けに来る」
ルナは微かに笑った。
「そうね。私も私自身の力で歩かなきゃ」
――――――
一方、街の別の場所
ルアンは初めての街で新しい日常を始めていた。
夜の静寂の中、監視カメラとビルの明かりを見渡す。
孤独を好む彼には、最適な仕事だった。
面接の時に名乗った名前は
――
「倉田です」
かつて戦場で肩を並べた戦友、ルナとの思いを胸に秘めながら、
誰にも気づかれず、静かに人間界で生きるための名。
ビルの廊下に響く足音。オレにもアルバのような忠実な相棒がいたら……
ルアンは静かに今夜も監視モニターを見つめるのであった。
この作品は寡黙な夜警作品の前日譚でした。
倉田と佐々木のその後を書くべきか。
全く違う時間軸のお話を出すほうがいいか。
できたら感想をお願いしますm(_ _)m




