表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/44

第26章 王都への道

 初夏の風が、草原を渡っていく。

 カイたちは小さな街道を歩いていた。背中には、見慣れた学院の丘が徐々に遠ざかっていく。


「これが……世界ってやつか」

 ジークが大きく腕を伸ばし、深呼吸をする。どこまでも広がる空と、知らない地平線。

 リュナは足元の小さな花を見つけて微笑む。


「道端の花って、学院の中庭に咲いてたものとは全然違うね。色も形も……なんだか強そう」


「この地方は魔力の流れも違う。密度の濃淡が土地ごとに異なるのは有名だわ」

 セラが冷静に周囲を観察する。その横顔には、学院時代よりもどこか頼もしさがあった。


 カイは歩きながら、自分の内側を探るように呼吸を整える。

 学院を離れても、密度魔力の感覚は消えない。むしろ、広い世界に出て――

 「自分という輪郭」が、どこまで通用するのかを知りたいと、今は思っていた。


 旅の道中、街道沿いにぽつぽつと小さな村が現れる。

 行き交う商人や旅人たちは、カイたちに興味深そうな視線を向けたが、特に声をかけてくる者はいない。


「次の町は王都の外れにある“トゥラス”って村。そこで情報を集めてから王都に向かうのが良いだろう」

 セラが地図を広げながら提案する。


「うまいものあるといいな~」

 ジークがすかさず茶化すと、リュナもくすりと笑う。


「私、初めての町はちょっとドキドキする。……でも、なんだかワクワクもするよ」


「きっと、新しい出会いが待ってるよ」

 カイが言うと、みんながうなずく。


 やがて遠くに、石造りの門と低い煙が立ちのぼる村の姿が見えてきた。


「よし、まずは腹ごしらえと情報集めだな!」


 ジークのいつも通りの言葉に、四人は自然と笑い合う。

 新しい世界への旅は、こうして静かに、けれど確かな期待とともに始まっていく――。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


学院という“箱庭”を出て、カイたちが初めて本当の外の世界に踏み出しました。

旅路のなかで見えてくる新しい景色や、仲間たちの意外な一面、

そして「密度」がもたらす新たな出会い――

物語はこれからどんどん広がっていきます。


次回は、いよいよ王都の入り口。

カイたちの冒険と成長を、これからもどうぞ見守っていただけると嬉しいです。


引き続き『魔導密度戦記』をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ