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ボクの周りの女の子は何かと問題がある……  作者: はなだ とめX
第3章 彼女は自分が何者かを知りたかった
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21 エルフの特徴

週末、父が脳梗塞で倒れてしまい、実家に帰っていました。昨晩遅くに帰宅したのですが、疲れ果てて眠ってしまいました。昨日は投稿を飛ばしてしまい、申し訳ありませんでした。


 


 「ユーゴ、いきなり日本語が上手くなったわね」と言ったのは昨日サンタクロースの説明で四苦八苦していた姉ちゃんである。

 

 「そうだろ? 言語能力向上に魔力をたっぷり使ったからな」とユーゴはヘリウム缶をスースー吸う。


 ユーゴはボクの隣にどかりと腰を下ろした。皆もソファーに座らず、テーブルを囲むように床に腰を下ろしていた。


 「ところでユーゴは何でヘリウムなんて吸ってるの?」


 ユーゴの声が不自然なのもあって、夏穂もヘリウムだと気が付いたようだ。


 「知りたいか? 知りたいのか? えっ? どうなんだ? だったら教えてくださいと言え!」


 ユーゴはボクがいない時でも夏穂とよく遊んでいるようで、二人はとても仲が良い。そしてハイテンションだ。


 「……おしえて」


 「実はな……」


 ユーゴはクイズ・ミ○オネアの司会者のようにジッと夏穂を見つめる。


 「何よ。勿体ぶらないでよ」


 「魔素に似たナニカが、見つかった」


 「えっ? ……まさか、魔素ってヘリウムだったの?」


 「魔素じゃない。魔素に似たナニカだ」


 ユーゴはニンマリと笑って鷹揚に頷く。


 「やったじゃん!」


 夏穂は駆け寄ってユーゴからヘリウム缶を受け取る。


 「う”お”お”お”ぉ”ぉ”ぉ”ーーー ナニコレ、ずごい」


 夏穂の目は飛んでいた。何に危ないモノでも吸っているように白目を剥いていた。


 それからユーゴは二階へ駆け上がると、ヘリウム缶の入ったリュックをまるごと持って来た。そしてプレゼントでもするかのように皆に一本ずつ配り始めた。


 「あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ーーー、何ですか、コレ、体が、体が、熱くなります」


 薫子さんである。


 「……えっと、姉ちゃんは……」


 姉ちゃんにヘリウム缶を渡すのを躊躇っていたユーゴだったが「いるわよ」と言われ、奪い取られていた。それならばと園田にもヘリウム缶を渡す。仲間外れはダメ。だけど、この二人は吸っても、ただ声が高くなるだけなのだけれど……。


 ここへ来てボクも初めてヘリウムを吸った。確かに凄い。如実に力が漲ってくるのが判った。プルメリアの水なんかの比ではない。直接的に――胸の奥にある力――が、胸に収まりきれなくなった魔力が、体中に駆け巡っていくような、そんな感覚である。


 何となくボクは確認するつもりで指先に光を灯した。


 「い、いや何と、高梨氏。それは何でござるか?」園田が目を見開いて驚いていた。


 「魔法だよ」


 そう答えると、園田は慌てたようにヘリウム缶をすーすー吸い始めた。そして甲高い声で「ルーモス!」「ライト!」などの呪文まで唱えていた。


 ユーゴに教わった魔法に呪文はなかった。


 呪文のようなものはないのか? 夏穂が訊ねたことがある。ユーゴが異世界で通っていたという王立アカデミーでは、皆、呪文を唱えて魔法を使っていたそうだ。


 ならば何故ユーゴは呪文を唱えないかと訊くと「ダッテ……恥ズカシイダロ?」と言っていた。またエルフである母も呪文を唱えていなかったそうである。


 「アグマルには無理だ。お前は魔力を持ってない」


 「そ、そうでござるか……」


 園田はガッカリしたようにヘリウム缶をテーブルに置いた。


 「気を落とすな。こっちの世界の殆どの人間に魔力はない。ここにいる人間が偶々異常なんだ。ユートはオレの弟だし、ミーリアは転生者だ。そして薫子は……あっちへ行けば勇者クラスだ」


 「……一体全体、こっちとかあっちって、何でござるか?」


 ここで漸く、園田には詳しい事情を話していなかったことを思い出した。ユーゴがボクと入れ替わって北頭学院へ行った時も、――外国で暮していた双子の兄――と簡単に説明していた。


 「実はね。ボクは異世界から日本に拐われて来たらしいんだ。しかも母親はエルフなんだって」


 この際、言ってしまおう。彼はボクにとって唯一の学校の友達であり味方だ。ただ、まあ……俄かには信じられないことだと思うけど……。


 「な、なな、なんですと! と言う事は、高梨氏とユーゴ殿はハーフエルフでござるか?」


 あれ? あっさり信じたようだ。


 「し、しかし、耳が尖ってない気が……」


 「父似だからな。母は尖ってたぞ」


 ユーゴが答える。


 「それでも、ハーフエルフなら少しは尖ってたりするものじゃないの?」


 驚き過ぎたのか、園田が~ござるを忘れている。


 「では、アグマルの耳は、父親と母親の耳の特徴が半分半分なのか?」


 「いや、拙者の耳は父似でござる」


 「それと同じだ」


 「まあ、確かに高梨氏もユーゴ殿もエルフと言われて納得の美形ではござるが……明確なエルフの特徴がちっとも無いでござるな」


 「そんなことはないぞ。例えばオレも悠斗も手足が長いだろ? これはエルフ的の特徴だぞ」


 「……まあ、そうでござるが、普通の人間でも手足が長い人はいるでござるよ」


 異世界人という点は置いといて、園田は、ボクらがハーフエルフということが納得出来ないようである。園田には園田のエルフの確固たるイメージがあったようだ。それにしても、人だとなんでハーフって言うんだろ? 犬だとミックスなのに。


 「まだまだあるぞ。人族の手は、中指が一番長いだろ? だけどエルフは薬指が一番長い。オレたち兄弟はそれも受け継いでいる」


 そう言われて自分の手を見てみる。確かに薬指が中指よりも関節一つ分長かった。今の今までまったく気が付かなかったのだけれど、ふと思い返してみると、これまで手袋やグローブを嵌めるとよく違和感を覚えていた。


 「た、たしかに……! ただエルフの薬指が長いという特徴は、初耳でござるが……」


 園田は、ユーゴが突き出した手のひらをマジマジ見ながら驚いていた。


 「ところで、エルフはともかく、異世界人ってところは気にならないの?」


 ボクが園田に訊ねる。


 「あーそれはミーリア殿から聞いていたでござるよ。高梨氏は勇者なのででござろう?」


 ボクは夏穂に視線を送る。


 「あーごめんごめん、それアタシのカン違いだった。ユウトとユーゴは勇者様の息子だったの。」


 てへっ……じゃない。何でそんな個人情報を勝手に人に喋るかな?


 「御子息とな……」


 「でも、それをアグマルに話したの9月だよ。まだユーゴが現れる前。あの頃はそう思ってたの。それにアグマルがアタシのことをミーリアって呼ぶから……てっきり異世界転生組だと思っちゃってて……」


 園田と夏穂はゲーム仲間だ。例のパブリック・ビューティーズ。そのゲーム内でも猫耳カチューシャをつけた夏穂のキャラ名がミーリアになっていたらしい。


 「それと、まあ……あまり言いたくはないのがな……、オレたち兄弟が引き継いだエルフの身体的特徴がもう一つある」


 ずっと考え込んでいたユーゴが話をエルフに戻した。何だかユーゴも意地になっているようだ。


 「……」


 「……」


 ユーゴにしては珍しく逡巡している。


 「……実はな……エルフのアンダーヘア、いわゆる陰毛は、さらさらストレートヘアなんだ。そしてそれはオレたち兄弟にも受け継がれている。それと体毛が陰毛以外にない」


 た、確かに!


 ……これはエルフの特徴だったのか……。


 幼い頃、一緒にお風呂に入っていた爺ちゃんの陰毛はチリチリだった。またラグビーの合宿などで見た仲間たちの陰毛もチリチリしていた、


 だけどボクの陰毛は細く真っ直ぐで、毛質としては頭髪と同じだ。ある程度でカットしなければどこまでも伸びる。そしてワキ毛やすね毛は全く生えていない。

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