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歴史作品

学んだこと


隣国の奴らが性懲りも無く国境を越えて進軍して来た。


隣国の奴らと我が祖国は同じ民族で遥か昔は同胞だったらしい。


でも今は憎み合う敵同士。


だから我が国と隣国は数年から十数年に一度の割合で戦争になっている。


まぁ何時も互いの国のバッグにいる大国が乗り出して来て、半年程で終戦になるんだけどね。


僕は高校生だったけど、前の戦争のとき僕を可愛がってくれていた叔父さんを隣国の奴らに殺されていたんで、休学願いを学校に提出して兵士に志願した。


学友たちは皆、「どうせ直ぐ終わるんだから戦争は正規兵には任せておけ」とか、「戦争になんて行かず青春を謳歌していたい」とか、「そんな物で死んだら無駄死にだ」などと言って考え直すように言う。


でも僕はそれらの声を振り切って、迎えに来た国防軍のトラックに乗る。


同じように志願した生徒は全校生徒の一割程だけだった。


• • • • • 


今、志願した僕たちは学校がある故郷の街に戻って来た。


戦争は何時ものように互いのバッグの大国が乗りだして4ヶ月程で休戦になり、半年経った1週間程前に終戦になる。


休戦になる2ヶ月前まで僕たちは武器の使い方と前線で生き残る術を習い、休戦になってから前線に配置されて終戦までひたすら塹壕を掘らされていた。


家に帰る前に駅の近くにある学校に寄って行くかと学校に向かった僕たちが見たのは、学校があった場所に何故か存在する大きな穴。


通りかかった通行人に聞いたら、休戦になる2週間程前に敵国が撃ち込んで来た長距離ロケット弾の直撃を受け、学校は穴ぼこになったらしい。


平日の昼間だった事もあって当然だけど、授業を受けていた生徒と教職員全員が亡くなった。


皮肉なもんだよ、国防軍に志願した僕たちは転んで足を骨折した奴が1人いただけで全員無事に帰って来れたのに、後方にいた者たちが全員死亡してるんだからな。


だから僕が今回の戦争て学んだのは、武器の使い方と現代戦では前線も銃後も関係なく死ぬんだって事かな。







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