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第三百十五話 運命の分かれ目④

赤い光からなる音色の猛撃を次々と叩き込む。それは治癒の反転、その彼なりの極致は迫り来るレン達の動きをたじろがせた。


「……此ノ里結愛さん、あなたは思っていたよりも危険な存在のようですね」


奏多が結愛を救うために割って入ってきた――。

その事実を前にして、レンの雰囲気が変わる。

揺れるのは憂う瞳。

それは剥き出しの悲哀を帯びているようだった。


「『破滅の創世』様、この世界は最も神を冒涜しておりました。故に滅ぼさなくてはならないのです。神のご意志を完遂するために」


その存在を根絶やしにすることは、『破滅の創世』を救える唯一の方法であるというように――。

そう告げるレンは、明確なる殺意を結愛達に向けていた。


「その人間の言葉に惑わされてはいけません。これから何をしようと一族の者の罪が消えるわけではないのです。私達が決して許さないことが、彼らの罪の証明となる」


平坦な声で、レンは結愛の決意を切り捨てる。


「此ノ里結愛さん。一族の者である……あなたが、『破滅の創世』様にそのような感情を抱くなど、あってはならないのです」

「そんなことないです! 明日、今日の奏多くんに逢えなくても、私は明日も奏多くんに恋をします! 怖いですけど……すごく不安ですけど……もう逃げません!」


レンが嫌悪を催しても、結愛は真っ向から向き合う。


「奏多くんが大好きだから! その気持ちに嘘をつきたくないです!」


最後まで自分らしく在るために――結愛は今を精一杯駆け抜ける。

それは結愛なりの矜持だった。


「……分かりました」


レンが深刻な面持ちで告げる。

苦渋に満ちたその顔からは、その奥にある感情の機敏までは読みきれない。


「此ノ里結愛さん。まずはあなたを滅ぼしましょう」


レンの胸から湧き上がってくるのは鋭く尖った憤り。

そして――。

結愛の恋心。

『破滅の創世』の配下の者達は、結愛が奏多へ抱く感情に躍起になっている。


「『破滅の創世』の配下達は随分、嫌悪感を示しているな。……此ノ里結愛。悪いが、もうしばらくの間、引きつけてもらおうか。『破滅の創世』の配下の者達が、この地を去るまで」


ヒューゴがそうつぶやいた矢先――奏多は異変に気づいた。


「慧にーさん、攻撃が来る!」


奏多がそう呼びかけた途端、上空から無数の光撃が降り注いでくる。

ベアトリーチェが招いたのは無慈悲に蹂躙する光。

結愛達には……悲鳴の声の一つすら上げる時間は与えられなかった。

その前に、彼女が招いた致命的な光撃が結愛達へと放たれていたからだ。

だが――。

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