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第三百八話 戦いの駆け引き⑤

慧達の連携攻撃は、『破滅の創世』の配下の者達を退かせる有効打にはならない。

それでも、慧達の猛攻は苛烈さを増していく。


「行くぜ、観月。俺達が前に突き進むためにも……力を貸してくれ!」


慧は強い瞳で前を見据える。

それは深い絶望にまみれながらも前に進む決意を湛えた眸だった。

何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。


「当然ね」


他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。

二人の誓いはたった一つ。

奏多と結愛を護るために、この状況を打開することだ。


「『破滅の創世』様……」


しかし、レンは慧達の屈指の妨害よりも、奏多の意向を確かめたいと願っていた。


「……今の『破滅の創世』様は、此ノ里家の者達によって記憶を奪われています。その影響で、一族の者に加担させられております」

「……っ」


そう吐露したレンは、ただ一心に奏多を見つめる。

――胸に抱く哀愁にも似た感情を、瞳に宿しながら。


「どうか思い出してください。一族の上層部の愚行を。そして、一族の者達への憎悪を」


かって三人の神のうち、最強の力を持つとされる神『破滅の創世』が記憶を封じられ、ただの人間に成り果てている。

かっての『破滅の創世』の姿が、レンの脳裏を掠めた。


「私は『破滅の創世』様の無念を晴らしたいのです。どうか、お戻りください」

「わらわとしてもいい加減、『破滅の創世』に記憶を取り戻してもらわないと困るのう。今、世界すべてが混乱して、わらわ達だけでは手が足りぬ」


レンの宣誓に呼応するように、ベアトリーチェは喜ばしいとばかりに笑んでいる。

奏多の――『破滅の創世』の記憶が戻るのを待ちわびるように。

そんな戦況を、ヒューゴは楽しげに眺めていた。


「ヒューゴ様」

「『破滅の創世』の配下の者達は、川瀬奏多様だけではなく、此ノ里結愛の動向にも目を向けている」


一族の上層部の者が差し出した傷薬に、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。


「どうなるか、ひやひやしたが、何とか時間を稼ぐことができそうだな」


ヒューゴの狙いは、『破滅の創世』の配下の者達を別の目的に目を向けさせることだった。

だが、あくまでも『破滅の創世』の配下の者達は、『破滅の創世』のために動いている。

そんな彼らの目を向けさせる方法は限られてくる。

奏多以外では、『破滅の創世』の記憶を封印した此ノ里家の者。

強いていえば、奏多の幼なじみの結愛だった。


結愛の恋心。


『破滅の創世』の配下の者達は、結愛が奏多へ抱く感情に躍起になっている。

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