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第ニ話 破滅の創世という神①

一番、最初に認識したのは煌びやかなシャンデリアだった。


どこだ、ここは……?


川瀬(かわせ)奏多(かなた)はまるで思い出したように疑問と動揺が一瞬で頭の中を埋め尽くした。

視線を巡らせれば、煌びやかなシャンデリアが明るく会場を照らしている。

そこかしこで聞こえてくる会話の幾つかには、「あれが噂の」だの「あの少年が例の」だの聞こえてくるが、嫌味ではあるまい。

スマートフォンで時間を確認すると月曜日の夕方だった。

土曜日の夜、両親と話した後、部屋で眠りについたことは覚えている。そして、気がついたら月曜日の夕方、見知らぬ会場にいた。

具体的に現状を表すなら、自分の部屋のベッドで眠りについていたはずなのに、今は何故か見知らぬ会場内にいる。


またか……。


一日以上の意識の空白。その理由を奏多は知っている。


また、俺、余計なことを口走っていないよな。


その空虚な問いに、彼の者からの返事は永劫来ることはない。


いつの頃からか、この世界以外にも別の世界――多世界というものが存在するということが判明していた。

その多世界の数々を管理している三人の神の恩恵を受けて、数多の世界の人々は穏やかな平和を享受していた。多くの人々は神の恩恵により、前途洋々の未来が待っているのだと信じて疑わなかった。

しかし、いつの時代にも例外はある。

いかに恵まれていようと罪を犯す者がいれば、全てが覆ってしまう。時代が技術がいくら進んでも、解決不能なことは存在した。

全ての発端は異能力を持つある一族が強い力を欲するあまり、三人の神のうち、最強の力を持つとされる神『破滅の創世(カタストロフィ・リバース)』の力を手に入れようとしたことからだった。

矜持が狂気を呼び、その執念はひとつの成果となって結実した。

その一族のとある夫婦の間に新たな生命が誕生し、その稚児は周囲から大いに祝福を受けた。『破滅の創世』の神魂の具現として、ありえざる形の生を受けてしまった稚児。


そうして生み出されてしまったのが俺なんだよな……。


神の魂の具現として生を受けた奏多。

これにより、一族の者達はおおよそ昔からは想像つかないような絶大な力を獲得し、この世界は更なる革新を成し遂げるはずだった。けれども、それはあまりにも虫のよすぎる願いだった。

人という器に封じ込め、神の力を自らの目的に利用する。それは『破滅の創世』のみではなく、他の神全てに対しての裏切りだった。

怒り狂った『破滅の創世』の配下達は一族の者共々、この世界を破壊し、『破滅の創世』を取り戻そうとした。

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