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読んでいただけると幸いです。
語時報告ありがとうございます。
感謝いたします。
月日は流れ私は十五歳になり、学園へ通うことになった。
学園の入学式の日
母親同士が友達で、子供同士も会ってすぐに仲良くなったアンリと一緒に講堂に並べられた椅子に座って、学園長のありがたいお話を聞いていた。
長い話が終わり、クラス分けの張り紙を見に行く。
アンリと同じクラスだったことに手を取り合って喜ぶ。
両親達と別れ、教室に向かう。
ホームルームがあり、教材を渡される。
新しいもの全てに胸躍らせていた。
母親達の元に向かおうとアンリと話しながら歩いていると後ろから声を掛けられた。
「ダイアン、ダイアンだろう?!」
私は振り返り声を掛けた人の姿を見た途端、叫び声を上げ気を失い、その場に崩れ落ちた。
慌てて駆けつけた両親に抱えられ私は帰途についた。
数時間後、目を覚ました私は何があったのか両親から聞かれたが、私にはさっぱり分からなかった。
アンリが言うには、誰かに声を掛けられ、振り返ったら叫んで倒れたのだと言う。
両親には何か心当たりがあったような素振りを見せたが私には何も言わなかった。
それから学校に行くと叫んで気を失うことが多発するようになった。
誰からも声を掛けられてもいないのに、今の今まで笑って廊下を歩いていたのに急に叫びだし倒れる。
十分程で目を覚まし、後はケロッとしている。
だが又、叫んで気を失う事が度重なった。
あまりに続くので両親が学校に呼び出された。
両親と教師の間でどんな話があったのか、私には説明されなかった。
両親が呼び出されて初めての休日。
父に応接室に来るように言われ、父の前に座ろうとするとお客様が来るから隣に座りなさいと言われ父の隣に腰を下ろした。
ノックされ父が入室の許可を出す。
私は叫び声を上げ、気を失った。
十分程後、目を覚ました私は父の顔が見える。
あちらを見てごらんと指差された方へ視線を向けると再び、叫び声を上げて気を失った。
次に目を覚ました時は母の顔があった。
「ダイアン、昔大火傷した時の事を覚えているかしら?」
「なんとなく覚えています」
「その時何があったか覚えているかしら?」
「えっ?えーっと・・・誰かの家に嫌なのに行かされて・・・あれ?えーっと・・・」
「ほとんど覚えていないのね。火傷した頃、婚約していたのは覚えている?」
「えっ?婚約ですか?私が?」
「そうよ。小さい頃、男の子と遊んだ記憶はあるかしら?」
「あーーはい。うっすらとあります」
「ディーンっていう男の子の事は覚えていて?」
私は三度気を失った。
両親は話をしても気を失ってしまうことで話すことも出来ず、教会へ相談した。
けれど、心の傷は時が癒やすのを待つしか無いと言われ、仕方なく帰ってきた。
それからも時折私は叫んで気を失ったが、一年目の学園生活を終えた。
短く区切りすぎました。
短編でよかったと思いました。