表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

ライブ全開

八月下旬ー


締切を過ぎて予選まで残り一週間に迫った。

しかし、いつもと変わらず芸人らしい空気が古本本社に流れる。


会議室では明日行う若手を集まってやるライブの最後のリハーサル兼打ち合わせをしていた。


ナカナカとオリジナルレイディオなど若手のエース級が一同にやる、そこそこ大きなライブである。


「んじゃ~それでいいっすね」


決定したようでみんな「おつかれさまでした」と言って出て行く。

内と中は会議室残ってネタ合わせを始めた。


「短いのを二本ってキツいな~」


会議室の天井を見ながら言う内。

中はネタ帳を見て何かをつぶやいていた。


「……何かしたか?」


中に心配そうに聞く。

しかし、何も答えずネタ帳を見てつぶやいていた。


「明日、早いし今日は終わるか」


中から返事がない。

内は中の肩を揺らす。

「あっ…何?」中がマヌケな声を出す。


「明日、早いから今日は終わりな」

「あ……あぁ…」


内はネタ帳をしまって、コピーを中に渡し会議室から出ていった。


「………言えねぇよな…」


中はコピーを持ち上げて、つぶやいていた。


ライブ当日ー


「は~いど~も」

「ナカナカですヨロシクお願いします」


ライブはナカナカの漫才から始まった。

新ネタを披露していた。

最初は緊張した様子だったが、客のウケ具合はそこそこよかった。


「いい加減にしろ」

「あざっした」


漫才を終えて二人は袖に戻って来た。


「フゥ~~」


大きく息をはいて、内はネクタイを緩めた。

中はスーツを脱いでタンクトップとパンツ一丁になった。


出囃子と同時にライダースが出ていった。



そして、無事にライブを終えて打ち上げに来ていた。


「おつかれさまでした

乾杯!!」


みんなワイワイ騒いで食べ始める。

藤林がかなりのペースで飲んで酔っ払っていく。


藤林が「いや~兄さん結婚しないんすか」中の頬を突っ突きながら聞いてくる。


「相手がいねぇからな~

出来ねぇよ」


頭を書きながら答える中。

藤林は頬を引っ張りながら「いや~噂ありますよ~あの娘と~」ギリギリの滑舌で聞く。


「うるせ~よ、あくまで噂だからな…」

「意味ありげな言い方ですね…」


中が藤林の頭をヘッドロックしながら酒を飲んだ。


内はネタのことを考えながら隅っこで一人酒を飲まずボーッとしていた。



内と中はお互い心に何かを抱えたままWMOの一回戦を迎えることになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ