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爆笑チャーハン

次の日ー


二人は新幹線で京都に向かっていた。

内は静かにノートにネタを書いていた。

中はそれを後ろから見ていた。

内は気付いていないようだった。


「あと十分で着きますから用意しといてくださいね」


マネージャーの言葉で動き始める二人。

今日の京都での営業は老人会のパーティーでネタを十五分やるものだ。


十五分なら短いのを三本も組み合わせれば出来るが、ナカナカはそんな事はせずに十五分用のネタを作って披露している。


「さぁ急いでください」


マネージャーが急かすので二人は小走りで駅を出てタクシーで目的地まで向かう。


車内で、どのネタをやるか決めている内。

中はその隣りでメールをしていた。

メールを見て笑顔でケータイを閉じた。


「着きましたよ」


マネージャーはタクシーに精算をして、二人を先に降ろした。

裏口から控室に入っていった。



控室には大阪古本の先輩の 爆笑チャーハン の山田がイスに座って煙草を吸っていた。


二人とも静かにイスについてネタを書く内とケータイを開く中。

マネージャーは老人会の会長に挨拶をしていた。


「オィ~ス」


西田の相方の小鉄がドアを開けて元気よく入ってくる。


「おはよ~ございます」「あざ~す」


二人の挨拶を軽く受けて楽屋にいる山田に話しかける。

ネタを合わせている様子はなかった。


「今日はお願いします」


会長が控室に入って来た。

長々と挨拶をし始める。

二組ともうんざりしながら聞いていた。



「もういいよ」


ナカナカは漫才を終えて戻って来た。

老人を相手にするとあまり早いテンポで出来ないのでナカナカには、ちょっとツラいものがあった。


ナカナカが下がると爆笑チャーハンが出ていった。

爆笑チャーハンもいつもよりもゆっくりの漫才をしていた。


「おつかれさま~

帰るのは明日だからこの仕事終わったら各自好きにしてください」


マネージャーがファイルを見ながら言う。


つまり今日一日は時間を京都で時間を潰せ という古本興業からの指示である。


控室でナカナカは内がネタを書き、中はケータイをずっといじっていた。

マネージャーは次の芸人の仕事がある と出て行った。


マネージャーが出た後すぐに、内もトイレにたった。

中はトイレにたった内が書いていたネタのノートを手にとって見始めた。


「……三分用なんて何で書いてんだ……」


中はいつもよりも細かく入っているボケに疑問を抱いていた。


「あっ…おい!!」


トイレから戻って来た内は中からネタ帳を手から取った。

何も言わずに中は、そっぽを向いた。

内も何も言わずまたネタを書き始めた。


爆笑チャーハンが帰って来たのは何故か三十分後だった。


「おつかれしった~」


爆笑チャーハンが営業を終えて、マネージャーが取ったホテルに向かった。

内もゆっくりとネタ帳をしまってホテルに向かった。

中は内とは違う方向に足を進めた。

止めようとしたが言葉を留める内、そしてホテルに歩き始めた。


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