雪のように白い天使
なに不自由のない生活...それはまるで楽園のようだった。
何か嫌なことや悩み事があったとき、その事から一度離れると良いと以前、教祖様が言っていたのを思い出し、実行してみる。だが、反らすにも別の話題が思いつかず先程のことを思い出す。
「哀れな子羊よ、今朝も悪夢にうなされていたらしいですね。」
教祖様は、私が週に2,3回は見るあの夢のことを心配してくださっていた。しかし、純粋に感謝は出来なかった。それと同時に疑念も生じたからだ。
おかしな点が浮かび上がる...。教祖様はなんで私が悪夢にうなされていたことを知っていたのだろう。私、そんなひどい顔してたかな。でも、あの言い方は誰かから聞いたことを言っているようにも取れる。
いや、そんなことよりも、どうして教祖様は私を子羊と呼ぶのだろう。別に、シスターも信者も子羊と呼んでいるのだけど。教祖様以外は私のことを天使と呼んでいるから不思議な感じがする。別にどちらの呼び方も嫌ではないけど、なぜかもやもやとする。そして、なぜか翠が浮かぶ。
「どうなさったのですか? 難しい顔をされて」
教祖様が優しく私に声をかける。先程まで教祖様の発言について考えていたと思うと急に恥ずかしくなって、軽く会釈をして足早に教会を去った。
「どうしたのですか、急に。天使様、置いていかないでください。歩くのが早いです。」
少し後ろから翠の声が聞こえ、自分が早足になっていたことに気づく。
お読み頂いてありがとうございます。本作品はどうでしたでしょうか。
読者様は、何か嫌なことがあったり悩みごとがあったときどうされますか。私は、解決するまでネットに沼っています。
今後ともに、少女の行く末を見守って頂けたら幸いです。