雪のように白い天使
なに不自由のない生活...それはまるで楽園のようだった。
「○○○どうして、ねぇ...どうして!!」
魔女は、燃える炎に包まれた十字架に吊るされていた。金属が赤々と染まり、皮膚は焼けただれている。手足も縛り付けたロープのせいか、紅いアザが浮かび上がっていた。だが、魔女の表情は苦痛だけを浮かべているわけではない。私には、どこか悔しそうな...かなしそうな...そんな風にも見えた。
「○○○、私のこと忘れちゃいけない。」「○○○、天使になんてならないで!」
魔女は、喋るのも辛いだろうに、わけの分からないことを必死に叫び続けていた。それなのに、喉が焼けているせいか上手く喋れないらしい。きっと、「助けて」とか「苦しい」とかそんなことを云っているのだろうけど...、何故か大切な事を伝えようとしているのではないかと思えて、必死に聞き取ろうとする。
そうしているうちに、魔女は喋らなくなった。こう言い残して。
「あなたが来なければ、生きていられたのに。」
お読み頂いてありがとうございます。本作品はどうでしたでしょうか。
物語は始まったばかりです。どうか、今後ともに主人公がどのような体験をしていくのかを見守って頂ければ幸いです。