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能力の確認


 どれくらい経ったのかは分からないが、入ってくる魔力がプツッと途切れたのを感じた。


 体の周りにはふよふよと暖かいものが漂っているのを感じる。

 ミストサウナにでも入っている感じだ。

 まだ完全には体に抑えきれていない魔力を全身に循環させ、漂っている魔力を体内に取り込んでいく。


 漂っていた魔力をすべて体の中に取り込んだのを感覚で認識した私は集中するために今まで閉じていた眼をゆっくりと開けた。

 父さんたちに脅された、体が爆発するようなことは結局起きなかった。


 前世でのヨガの経験が良かったようだ。

「体の中のエネルギーを全身に回していきましょう」

 と言っていたヨガの先生に対して「意味不明」と当時は思っていたが、今日はあの時の言葉が大いに活躍した。

(ありがとう、ヨガの先生)

 心の中で前世の名前も覚えていないヨガの先生に感謝の念を捧げる。


「さすがだな」


 再び茶髪の男性にに扮したアルク様が現れる。


「これでもう能力も授かったのですか?」


 魔力に関しては、今までになかったエネルギーみたいな物を感じるので間違いなく授かった実感はあるのだが、能力に関してははっきりとした感覚が感じられない。


「ああ。魔力を体外に放出してみよ。その時にそなたが願った能力を思い浮かべるのだ」


 じゃあ、まずはグー〇ル先生から。伏字面倒だから今後は「教授」って呼ぼう。この世界に先生はいるかもしれないけど、教授ならいないでしょ

 そう思いながら私はある物の形を思い浮かべる。


「……それは何だ?」

「ふふふー。これはスマートフォンと呼ばれる前世の道具です。検索機能だけなら本体はいらなかったんですけど、こうやって、」


 パシャッ


「見たものの名前が分からないときに画像でも検索できるようにカメラ機能が必要だったんです」


 アルク様にタブレットの画面を見せながら説明する。

 画面上には先ほど取った写真とともに


・名前:アルクフォンシェンスティア・ラヒデルモンターレ

・性別:なし

・年齢:999歳以上

・職業:神

・能力:他人への能力授与。与えられる能力は個人によって異なる。

体力:0 筋力:0 知力:999以上 魔力:999以上


 との表示が出ていた。

 上手く機能しているようだ。


「もう一個の能力も試してみますね」


 グアルタさんから皮膚病の患者の話を聞いた時に、まずは消毒薬としてクロルヘキシジンが必要だと思ったんだよね


 そう思いながら今度は少量のクロルヘキシジンが器代わりの掌に溜まる様子思い浮かべながら魔力を掌に放出する。


「成功ですかね」


 私の掌にはピンク色の液体が溜まっている。

 これを新たに作ったコップに入れ、スマホ型の教授で撮影。

 教授の画面を確認する。


・名前:クロルヘキシジン

・能力:一般細菌、酵母様真菌の消毒。

・作り方:クロールの実をすり潰し、濾した果汁をきれいな水と共に弱火で1時間煮込む。1時間が経過したら火を止め、荒熱が取れたら溶液に細かく刻んだノタールの葉沈める。浮き上がってくる葉はその都度沈める。この状態を3時間維持する。最後に溶液全体を混ぜながら魔力が満遍なく混ざるように抽入していく。溶液が薄いピンク色になったら完成。

 推奨される素材量の比率(g)は

 クロールの果汁:きれいな水:ノタールの葉=1:100:30


 画面を確認した私はあまりにも自分の期待通りの成果ににまにましてしまった。


 元獣医としてどの病気にどの薬を使えば良いか、という知識はあるものの、その薬の作り方はさすがに知らないのだ。

 しかも前世で使っていた医薬品をただそのままこの世界に持ち込んだところで意味がない。

 ヒューマニアがいなければ使えない物や能力に意味はないのだ。

 この世界は限りなく100%ヒューマニア以外の種族なのだから。

 この世界の住人が、この世界の物を使って作れる医薬品の開発。

 私が2番目の能力だけでなく、1番目の能力も一緒に欲した理由だ。

 

 とは言え、中々に教授はチートな能力なのだろう。

 今までこの世界にはなかったはずの物を写真だけでどんなものか判断し、その作り方まで教えてくれるのだから。

 教授の能力の高さにわずかに恐怖を抱きながら、理想通りの能力であったことをアルク様に感謝し、その旨を伝える。


「アルク様、完璧に理想通りの能力です!」

「そうか、魔力の減り方はどうだ?」

「教授はスマホを出すのも魔力を取られるし、検索するごとにも魔力を取られますね。この世界の物を検索する分には大した魔力の減りは感じませんが、前の世界の物をさっき検索した時にはまぁまぁな量の魔力がなくなった感覚がしました。具現化の能力は大きさに合わせて多少の変動はありそうですが、気になるほどの魔力の減りはなかったです」


 自分の中の魔力を感じながらアルク様に説明する。


「無事に能力を授かったようで何よりだ。身体強化の方はどうだ?」

「あ」






 身体強化もできるかどうか、私にとってすごく重要なのに能力に興奮しすぎてちょっと忘れてたよ



 

無事に能力を授かった主人公。

もう一話アルクさんとのやりとりが続きます。




ブクマ、いいね、評価ありがとうございます。

頂けるとすごくやる気が出ます。

今後も応援よろしくお願いします。

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