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1460/1461

1460〜良き考え

「しかしながら」

「なんだ漁師。いきなり」

「1つだけ手立てが残っております」

「まだ毒の実を1つ持っておるのか?ポッケに」

「あ、いえいえその話ではございません。釣り人へ

ルゲ殿」

「バカにするな。こざかしい漁師の分際で」

「話というのは、、、」

「貴様、毒殺に失敗したのだろう?何の話があるというのだ?、、、お、1匹釣れおった」

「お見事でございます」

「で、話というのは?どうせどうでも良い話であるう?この釣れた魚を何等分するかとか」

「ヘルゲ殿。話が前後しておりますよ。あなた様が魚を釣り上げる前に、手立てがあると申し上げたのですよ」

「ああそうかい」

「耳にする気がないとお見受けいたしました」


「だから何の話だと聞いておろうが」

ヘルゲはそう言いながら得体の知れない小魚。

用意してあった小桶にポチャリと入れた。


「そうです。手立てというのは、ドロテア様がベルゲンの女王にならぬとあらば、、、」

「貴様のせいじゃないか。もう手立てなどないわツ。ここでのんびりゆるりと暮らすしかないので

な」

「ほれほれ、ここでダラリと暮らすというのであればでございます」

「誰がダラリなぞ言ったか?」

「えっ?ヘルゲ殿が」

「ゆっくりのんびりと言ったのだツ」

「似たようなものでございます」

「話が進まんのう」

「進めましょう。でその話というのは、どうせこの島でダラリと暮らすのであればです」

「またダラリと言いおった」


「この島は何の制約もございません。悪人どものただのブタ小屋であります」

「それ以上言うな。バカタレ」


「でしたらこのままこの島。ドロテア様がマーゲロイ島の女王と鎮座されたら良かろうかと」

「ハハッ!何が鎮座じゃッ!腹が痛いわッ!」

「あれ?飲み込まれましたか?」

「何を?」

「バーンベリー」

「腹が痛いの意味がわからぬのか?」

「まさかヘルゲ殿自ら試されるとは」

「呆れた。大いに呆れた。貴様この島に何人が住んでいると思っておるのだ?数える指もいらぬである

うが」

「1、2、3。3人でございます」

「わざわざ言わぬても良い」

「良い考えではありませんか?して私とヘルゲ殿がその下僕」

「はあ?なぜこの男爵たるやが、漁師のお前と同じ地位にならねばならぬのだ?はいッ却下ッ。わしは聞く耳持たぬ」

「良い考えだと思ったのですが」

「ドロテアの女王云々より、貴様と同じ下僕というのが気に入らん」


 「ほほう、なるほど。おやおや、漁師。そいつぁいい考えじゃないのかい?」

 岩場に座っていたドロテア。スクと立ち上がると口元にシワを寄せ、満面の笑みを溢した。


「ご賛同ありがとうございますッ!流石、ドロテア夫人様ッ。いえ、マーゲロイ島の女王様ッ!私はどこまででもあなた様に付いて参りますっ!」

「ほう。どこまででも?」

「ま、どこまででもと言いましても、この島は小さいゆえ、大した距離ではございませんが」

 「バカタレ」

「バカタレじゃ」


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