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VRMMOっぽい異世界でスキルを取りまくって女の子と一緒にアイテム集め―最強の冒険者生活を満喫する  作者: 鉄毛布


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新たな仲間、サラと模擬戦

「紹介するよ。彼女はサラ・エリアード。炎の天使の二つ名を持つ、霊剣流(れいけんりゅう)達人級(マスタークラス)だ」


 霊剣流。

 たしかグレッグに聞いた、ファリス流、ウルバン流に続く主流三流派のひとつだったな。

 俺のスキルの未取得欄にも【霞斬り】というのがあった。たぶんあれがそうだ。


 名前があまり強そうじゃないので取っていなかった。

 エリナはファリス流だから、師匠もファリス流の人かと思っていたが違うらしい。


「サラ・エリアードだ」


 サラは無表情でそれだけ。

 俺も一応自己紹介をしておく。


「サーティ・フォルガンです」


「サーティ君の実力を疑うつもりはないが、私も娘を預ける以上、この目で確認しておきたくてね」


 などとエドワードは言い出す。

 そして両手を広げて宣言した。


「さあ、彼女と試合をして、見事一本取ってみたまえ!」


「ええっ」



------



 俺たちは中庭へと移動した。

 青々とした芝生の上で、お互い十メートルほどの距離を取り、木刀を構える。


 霊剣流の達人級(マスタークラス)とやらがどれくらい強いかは知らないが、おそらくナックル程度では済まないだろう。


「サラさん、冒険者ランクとか持ってますか?」


「Aランクだ」


 無視されるかとも思ったが、サラは答えてくれた。

 Aか。

 Sランクへの昇格に強さが関係していない以上、彼女の実力を低く見積もるのは誤りだ。


 俺のLV1の【体感時間遅延】と【身体能力強化】でどこまでやれるか。とにかく全力でやってみるしかない。

 一応これも聞いておくか。


「魔術とかって使ってもいいですか?」


「もちろんだ。魔術に限らず魔法品でもなんでも使ってくれ。私もそういう魔法品をいくつか装備している」


 装備しているって……肌の露出量のほうが布の総面積よりも多い格好でどこに装備しているというのか。


「そろそろ準備はいいかな?」


 エドワードが聞いた。


「サーティ……」


 エリナは不安そうな目で俺を見ている。

 俺はうなずいた。


「はじめえええええええっ!」


 エドワードが叫んだ。

 【体感時間遅延】!【身体能力強化】!

 サラの手が動く。


 その手がかすんだ。

 スローモーションなはずの世界をサラは瞬間移動のような速度で飛び出して――。


「敵、確認。応戦」


 俺のすぐ近くから、そんな声が聞こえた。

 次の瞬間、サラがぶっ倒れていた。

 地面の上に、大の字で。


 俺の目の前に護神兵ちゃんがいた。

 剣を振り抜いたポーズだった。


「通常待機状態に移行」


 スゥー……。


 そして消える。

 サラはカエルのようにひっくり返ったままぴくりとも動かない。

 まさか……殺してないよな?


「大丈夫ですかサラさん!」


 俺が駆け寄ろうとしたときだ。


 ガバッ!


 サラが上半身を起こした。

 結んでいた髪留めひもが切れたのか、ポニテが解けて美しいロングヘアーがふわりと広がった。

 ぶるっと首を振って乱れた髪を肩の後ろに流し、それから言った。


「負け……ました」


「いやいやいや」


 俺は手を振った。


「今のはえっと、腕輪をオフにしておくのを忘れただけでそんな。俺の実力というわけでは」


「いや、負けだ。完膚なきまでの、圧倒的な実力差だ。模擬戦だからと手を抜くつもりはなかったんだがな。今のはファリス流でもウルバン流でも、ましてや霊剣流でもない。見たことのない技だった。対応できなかった」


 サラはあっさりと言った。

 俺はエドワードを見た。

 エドワードは少し寂しそうに笑った。


「サーティ君、エリナをよろしく頼んだよ」


 そして――。



------



「なんでサラさんがついてきているんですか?」


 帰りの道を歩くのは俺とエリナ。そしてサラ。


「聞いてなかったか? 負けたらついてくという話だったはずだが……」


「じゃあ勝ってたら?」


 俺がSランクだからオッケーって話じゃなかったか?

 追加条件でさらに勝たないといけなかったとなると、エドワードは自分の言葉を破る男だったことになる。


「……」


 サラは押し黙った。


「言えないようなことなんですか?」


「いや、私が勝っても、ついて行ってくれと言われていた」


「は?」


「エドワードはエリナお嬢様のことが心配だったのだろう。私に土下座で頼んだよ」


 一介の剣士相手にぺこぺこ土下座をする領主なんて普通じゃ考えられないが。うーん、エドワードなら容易にその姿が想像できてしまう。


 しかし、そういうことか。

 エドワードの奴め。


「それと、私を呼ぶときは呼び捨てで呼んでくれ。私はあなたに負けた身だ。今日から私はあなたのことを主人と仰がせてもらう――いや、もらいます。サーティ様、我がマスター。どうか同行を許可してください」


 スッと片ひざを突いてかがみ、胸に手を当てるサラ。

 口調まで丁寧に変えてくる。


「それは……」


「うれしい! 師匠といっしょに冒険できるなんて!」


 エリナがうれしいなら……仕方ない。


「分かったよ。ただし、マスター呼びは無しだ」


「断ります」


「主人と仰ぐ、とか言ってなかったか?」


「はい。しかしこれだけは譲れません。上下関係ははっきりさせておくべきです。私はマスターの下。下僕でございます」


 下僕って……。

 頑固なやつなんだな。

 まあこれ以上押し問答するのも面倒くさい。

 呼びたきゃ好きに呼べばいいさ。


「ねえねえサーティ。さっきの技、なんだったの? 凄かったわ。まさか師匠を倒しちゃうなんて」


「えっと……」


 腕輪の効果、あとでじっくり説明しておくか。

ここまで読んでいただいた皆様に、心よりの感謝を!

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