33. 大江ちゃんがあげたチョコを義理か感謝チョコにしか思わない三条(怪異の掃除人)
三条「やー、大江ちゃん! 久しぶりー!」
大江「は、はい! ご無沙汰しております!」
三条「でもどしたの? 急に呼び出して」
大江「あ、あの……実は、三条さんに渡したいものがあるんです」
三条「渡したいもの?」
大江「はい! こちらです!」
三条「こ、これは……!」
大江( ……ふふふ)
大江(どしたも何も、今日はバレンタインデー! この日の為に、私は三条さんが一番喜ぶチョコレートは何か考えに考え尽くしました!)
大江(まずは、チョコの種類! 以前家庭教師として来ていた際にチョコをお出しした時は、ミルクチョコばかり食べてらっしゃいました! つまり、彼の好みはミルクチョコ!)
大江(ですが、高価なチョコならいいというわけではありません。優しい三条さんなら、高校生である私のお財布事情を気にしてくださるでしょう。そしてそれは、私としても本意ではありません)
大江(とはいえ、ちょっと背伸びをしないと三条さんへの私の本気は伝わりませんからね! 故に、予算は五百円から八百円! 金額が判別しにくいものを選定しました!)
大江(加えて、三条さん好みのパッケージなども加味した結果、今お渡ししたチョコが一番だという結論になったのです! と、届け! 私の気持ち……!!)
三条「…………?」
三条「何これ?」
大江(何これって言われたあああああああ!!!!)
大江「ほあっ、あっ、そ、それはぁっ……!」
三条「え!? なんで泣きそうになってんの!? ごめん! でもマジで何これ!?」
大江「ちょ、ちょ、チョコ……!」
三条「チョコ!? 嘘、こんなカッケェ缶に入ってるチョコとかあんの!?」
大江「ありますうぅ……!」
三条「おわーっ! 泣かないで! でもごめん! あんまりかっこいいもんだからチョコに見えなくてさ! だって見てこれ! すげぇかっこいいもん!」
大江「ううう……!」
三条「え、でもなんでこんなカッケェチョコをオレにくれたの? っていうかほんとにオレがもらっていいの?」
大江「だ、だって、私! さ、さ、三条さんに喜んでもらいたくて……!」
三条「すげぇ! 実際オレめちゃくちゃ嬉しいよ! 缶に入ってたらチョコ食べた後も残るもんな! 嬉しい!!」
大江「うううううううう喜んでもらえたあああああ!」
三条「うん! めっちゃ喜んでるよオレ! すげぇ嬉しい!!」
大江「うええええええええ」←喜んでもらえたという安堵で号泣
三条「きゃーっ! 泣かないで泣かないでーっ!」
大江「ふにゃああああああ」←そして当初の目的を忘れる




