28. トオルから佐一ヘチョコをあげるお話をお願いします!(代瀬トオルは引き寄せる)
トオル「お疲れ様です、佐一さん! お陰様で今日も仕事が終わりました!」
佐一「うん」
トオル「ご飯作りましょうか? ハンバーグとかどうです?」
佐一「食べる」
トオル「はーい」
佐一「俺はその間、頼まれたものを修理しとくから。用があったら三回ノックしてくれ」
トオル「わかりました。あ、でもその前に……」
佐一「何?」
トオル「これ。チョコです」
佐一「……チョコ?」
トオル「今日バレンタインデーでしょう? 佐一さんにもお裾分けです」
佐一「……。それ、トオルが女の子から貰ったやつとか?」
トオル「まさか。スーパーでワゴンに入っていたのを買っただけですよ」
佐一「そう。それなら貰う」
トオル「……佐一さんは、女の子から貰いたいと思わないんですか?」
佐一「は?」
トオル「ほら、佐一さん、見た目とかいいですから。お店にでるようになったら、すぐ女の子のファンがつくと思うんですが」
佐一「何の話だよ。……第一、俺が人に会えるわけない。女の子どころか人間から個人的に物を貰うなんて、考えただけでぞっとする」
トオル「僕からはいいんですか?」
佐一「……トオルは別だよ」
トオル「不思議ですねぇ」
佐一「それより飯を作ってくれ。俺はチョコを消化してるから」
トオル「あれ、作業するんじゃなかったんですか?」
佐一「……先にチョコ食べたい」
トオル「そうですか。結構入ってるんで、半分ぐらいにしといた方がいいですよ。ハンバーグがお腹に入らなくなります」
佐一「……うん」
トオル「では、すいませんがお願いしますね」
佐一「うん」
佐一「……」
トオル「ほらー、だから言ったじゃないですか。晩御飯食べられなくなるって」
佐一「……でも、チョコ美味しかった」
トオル「それはいいんですが。でも夕食に差し支えるほど食べる人がいますか」
佐一「……トオルがご飯前にチョコを渡してきたのが悪い」
トオル「すーぐ人のせいにする。佐一さんの悪い癖ですよ?」
佐一「……」
トオル「とりあえず、ハンバーグは冷凍しておきますね。佐一さん、お腹空いたら食べてくださいよ」
佐一「うん」
トオル「ほらほら、しょんぼりしないで。佐一さんの食の細さを失念していた僕も悪いんですから」
佐一「うん。……」
トオル「あ、無理に食べなくていいですよ」
佐一「……ハンバーグも、美味しい」
トオル「それはどうも」




