24. 曽根崎さんから景清君ヘチョコあげて欲しいです。労ってあげて欲しい!(怪異の掃除人)
17の続きです
ピザ屋「お待ちしましたー、マルゲリータピザとミックスピザと魚介類のせのせピザとピリ辛チーズマシマシピザですー」
曽根崎「……」
景清「……」
二人(多いな……)
曽根崎「ともあれ、いただきます」
景清「いただきまーす」
曽根崎「……あれだぞ、普通に持って帰って自宅で食っても良かったんだぞ」
景清「ピザは届き立てが一番おいしいと思いませんか」
曽根崎「よく分からん」
景清「味覚死んでますもんね」
曽根崎「だが食感はわかる」
景清「それ、美味しいんですか?」
曽根崎「……これでも一応、最近は多少味覚が戻ったように思うよ」
景清「あ、そうなんですか。良かったでふもぐはふ」
曽根崎「食ってから喋りなさい」
景清「曽根崎さんにだけは食事マナーについて言われたくないです」
曽根崎「……」
景清「どうしました、じーっとピザ見つめて」
曽根崎「いや、どれとどれをミキサーにかけようかと思って」
景清「流し込む算段を立てんな! 食欲失せるから普通に食べてくださいよ」
曽根崎「む」
景清「こっちとか美味しそうですよ。えび乗ってます、えび」
曽根崎「じゃあいただこう」
景清「あ、ジュースもついてる。曽根崎さん、リンゴとオレンジどっちがいいですか?」
曽根崎「……りんご」
景清「良かった、僕オレンジジュース好きなんです。はい、どうぞ」
曽根崎「……つくづく、君は物好きな人間だよな」
景清「そうですか? オレンジジュース美味しいじゃないですか」
曽根崎「そういうことじゃない。こういうバイトを続けているのに加えて、味覚の死んだ雇用主と普通に食事までしている件についてだ」
景清「んー……あんまりピンと来ませんが。でもお金だっていっぱい貰えますし、需要はあると思いますよ」
曽根崎「そうかな」
景清「はい。あ、でも他の人を雇う時は僕に相談してくださいよ! いきなり取り分が減るの困るんで!」
曽根崎「心配しなくても雇わんよ。私と関わる人間を増やすつもりは無いし、君以上に務まる人間がいるとも思えない」
景清「……それならいいんですが」
曽根崎「……おや、このピザ、オマケにチョコもついてるようだぞ」
景清「あれ、そうなんですか?」
曽根崎「うん。よかったらこれも持って帰るといい」
景清「いいんです?」
曽根崎「ああ。私が引き取っても腐らせるだけだからな」
景清「じゃあありがたく。わー、チョコが増えた」
曽根崎「君はチョコが好きなんだな」
景清「はい、大好きです」
曽根崎「それなら良かった」
景清「あ、でも曽根崎さんのことは好きでもなんでもないです」
曽根崎「分かった、分かったから」




