10.阿蘇さんから藤田さんに。本命で!本命で!!お願いします!!!(怪異の掃除人)
藤田「本命で! お願いします!!」
阿蘇「そりゃ俺は今フリーだけどな」
藤田「席は空いてるってことか……! 誘いやがって!」
阿蘇「別にそういうわけじゃねぇけど」
藤田「本・命! 本・命!」
阿蘇「ウゼェー。ここ最近で一番のウザさ」
藤田「ボジョレーのコピーみたいに言うなよ」
阿蘇「大声でしつこく、何度言ってもやめないウザさ」
藤田「だからボジョレーやめろって」
阿蘇「つーか、お前ならセフレから色々貰えるだろ。なんで俺に来るんだ」
藤田「それが義理ではもらえても、本命としては貰えないんだよね。わかる? 一番にはなれないオレの切なさ」
阿蘇「知らんがな」
藤田「だからせめて、阿蘇からは本命を貰いたいな、と」
阿蘇「ほう」
藤田「というわけで、ちょうだい」
阿蘇「席が空いてるからって誰でも座れるわけじゃねぇぞ」
藤田「椅子取りゲームのノリで座っていきたい」
阿蘇「やめろや」
藤田「くれよー、くれよー、チョコくれよー」
阿蘇「っていうか、ぶっちゃけ欲しいか? お前甘いのそんな好きじゃねぇじゃん」
藤田「別に嫌いじゃないよ。辛いのと並べてあったら辛いの食うだけで」
阿蘇「あのなぁ、あげる側からするとそれじゃ足りねぇんだよ。俺は甘いの好きだからさ、お前が妥協して食うぐらいなら俺が幸せに食いたいんだ」
藤田「ああー」
阿蘇「つまりそういうわけだ、解散」
藤田「……」
阿蘇「まだ何か?」
藤田「……じゃあ、キムチ鍋食いたい」
阿蘇「うん、それならいいよ」
藤田「ちなみに本命?」
阿蘇「義理鍋」
藤田「義理鍋?」
11に続く




