その者懲罰中につき
「聖女様!!」
アーヴァインに言われ部屋に戻って十数分後お姫様が部屋に飛び込んできた。
「あ、お姫様・・・おはよう?」
凄い形相で入ってきた姫様になんと言っていいかちょっと思い浮かばず少し考えた結果「おはよう」という無難な言葉しか出なかった。
「え!あ、おはようございます」
急に挨拶され姫様も何を言っていいのかわからなくなったのか挨拶を返してきた。
「「・・・・・」」
「何見つめ合ってるのよ!痛っ!!」
メイド服を着た女性にいきなり頭を小突かれるが殴った方が痛がっている。
「エルザ・・・あなた今懲罰中なの忘れたの?」
やれやれと頭を振りながら派手というか際どい水着のような衣装を着たおば・・・・いやお姉さんが入ってきた。
「・・・ってエルザって・・・」
痛がっているメイドの顔をよく見ると僕を殴り飛ばした魔法使いだった。
「はい、聖女・・いえ聖者様への無礼の罰としてしばらくの間聖者様の身の回りの世話をさせる事にしました。」
えーとそれ大丈夫なのか?
「大丈夫ですよ聖者様」
エルザに師匠と呼ばれていたお姉さんが少しニヤニヤしながらいう。
「今あなたに手をあげるとダメージが全部自分に返ってくる呪いがかかってるので」
「呪い?」
そういえば頭を小突かれたのに全く痛みを感じなかったがそういうことなのか・・・というかここまで痛がる力で殴ったのかコイツ?
「エルザ」
姫様が静かに痛がるエルザを呼ぶ。
「おね・・マリアーヌ様・・ですが・・・」
「エルザ!」
「う〜〜!ヒカル様申し訳ございませんでした。」
頭を下げるエルザだが反省の色はない。まあ当たり前だろう。
「いえ、僕が嬉しさの余りに興奮してしまったのが問題なので・・・・ごめん」
はっきり言って僕の方が悪いだろうあの件に関しては・・・・
「・・・ごめん」
僕の謝罪の後ボソッとエルザ呟いた。
「え?」
「最初の魔法は私が悪かった」
「じゃあお愛顧ですね」
と手を差し出す。
「調子に乗るな!」
と手を弾き飛ばされるが・・・・
「痛ったたたたた!!?」
手をブンブン振りながらのたうち回ってる。
「あの〜なんか凄い痛そうなんですけど・・・?」
あの程度大袈裟過ぎじゃ無いだろうか?
「ああ、それは呪いが強くなってるんだよ」
「へ?」
なんで?
「コイツ男と見ると見境無しに嫌うからついでに矯正しようと思ってね」
「矯正!?」
「死にはしないようにダメージはそのままだけど痛覚だけは十倍になってるのよ」
「それどんな刑罰!?」
「まあこんなに可愛い男の娘(子)ならこいつもなんとかなるような気がしてね」
「・・・なんか男の子に別な意味つけなかったか?」
「イヤだなそんなわけ無いじゃないですか〜」
師匠と呼ばれていた彼女は僕から目を逸した。