この魔法使い百合につき
「あ、あの大丈夫・・ですか?」
マリアーヌ姫は恐る恐る尋ねてきた。何をそんなに怖がる事があるんだろう?
「あの程度全然大丈夫ですよ」
と笑顔で返すが姫の表情は硬い。
「そうですか・・・あの程度・・・」
・・・まあ王族とか武術をやらない人間にとっては強いかもしれないが近衛兵位なら・・・って何か腰引けてない?
「おい、あれ幹部クラスだよな?」
「ああ、黒狼のゼルガ・・・前の戦乱で300人近くの犠牲を出してようやく追い返した手練のはずだが・・・」
「もうあの方が勇者で良いんじゃないか?今うちにいる勇者ムラっけあり過ぎるし・・・」
兵士達がコソコソと何やら話している。
「まあ、今の襲撃で何となくわかったけど・・・」
「はい、あれが私達の敵・・・我々は太古より闇の軍勢と呼ばれる者達です」
「闇の軍勢ね・・・」
闇だから黒かったのか?
「発生条件などは不明ですがおよそ200年周期ほどで現れると言われています」
「ん?・・・一度やっつけても復活するの?」
「同一の個体なのかはわかりませんので復活かどうかは・・・」
なるほど。
「分かりました。どこまでやれるかわかりませんが手を貸しましょう」
「!!あ、ありがとうございます!!」
姫は土下座に近いような状態で頭を下げる。いや!ちょっと止めて!
「ちょやめ・・!!?」
いきなり顔面付近に炎の玉のような物が飛んできた。咄嗟に手で弾き飛ばし飛んできた方向とは逆に跳びのく。
「この!マリアーヌ様に何させてんのよ!!」
そこにはローブを着た女の子が杖を振りかざしながら怒鳴っていた。
「コラ!エルザ!聖女様に何してんの!」
次の瞬間には後ろにいた女性に拳骨を落とされていたが。
「痛っつ!!師匠!なにいってるんですか!あれは男ですよ!聖女の訳無いじゃないですか!!」
「・・・」
しょ、初対面で・・・
初対面で初めて・・・・
僕を男だとわかってくれた・・・
気がついたら僕は涙を流してエルザさんに駆け寄っていた。
「わかりますか!わかってくれますか!?そうです!僕男の子なんですよ!!」
思わず手を握っていた。
「ひっ!男が私に触ってんじゃないわよ!!」
「グフッ!」
振り回した杖が顎下にヒットし僕は気を失った。
「私に触っていいのはお姉様だけよ!!」
エルザ
性別女性
好きなものお姉様
ガチ百合だった。




