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ガンドラル〜異世界に飲み込まれた世界で最狂(のハーレム)と最凶(の村)を作った最強(無自覚)の男のお話〜  作者: ろろ


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99話 とある見張りの決意

 

「ケイト様」


「こんな夜分に何事だ?」


「国からのお手紙です」


「わかった。感謝する」


「くれぐれも、使命をお忘れなきように。あなた様には我らラグレシュルの民の命運がかかっておりますので」


 未来ある一人の女性に、使命といいながらその身を捧げることを強制。

 強制した我らは、のうのうと生を謳歌している。

 我らの国は何をやっているのだろうな。


「わかっている」


 妻や娘と同じか。

 この女性も使命と言う名の押し付けを、自分が成すべきこととして受け止めている。

 国の教えというのは恐ろしいな。


「では、失礼させていただきます」


 妻を奪われ、娘を奪われ、そして目の前の女性を救うこともできない。

 何もできない無力な自分に嫌気が差す。


「何に浸っているのか知らんが、ちょっと顔貸してもらうぞ」


 な!? 足元に。

 なんだこれは? 

 体が沈む。




 ここは何処だ?

 全面真っ白。

 見たことのない部屋だ。


「いい具合に尻尾を出してくれて助かったよ」


 こいつは昼間の。

 確かサシチ・ヒダリと言ったか。


「さてと、面倒臭いのは抜きでいこう。お前らはタフィナスさんに何をさせようとしている」


 こいつは何を言っているんだ?

 答える訳がなかろう。


「答えないよな。まあいいや」


 ???

 どういうことだ?


「意味がわからんて顔してるな。答えても答えなくても俺のやることは変わらないってことだよ」


 何を言っている?


「ガンドラル村の発展のために」


「本音は主の趣味でしょうに」


 もう一人いたのか。


「うるさいよ」


「良いことだと思いますよ。好みの女性の為にその力を振るうというのは」


「まあいいや。そういう訳で俺はタフィナスさんをあんたらの故郷からもらっていく。あんたらの故郷を滅ぼしてもな」


 こいつは何を言っている?

 こいつの力をもってすればありうるのか。

 いや、あの守護を破ることは不可能だ。


「黙りか」


 だが、こいつならなにかが起こるかもしれん。

 妻や娘を奪ったあのくそったれをぶち壊してくれるかもしれん。

 どうせこいつが失敗したところでなにも変わらんのだ、やらせてみるか。


「ケイト様は知霊樹に捧げられる」


「知霊樹?」


「我が国ラグレシュルにある巨大な撞木のことだ」


「捧げるってのはどういうことだ?」


「言葉のままだ。知霊樹に捧げられた女性はそのまま知霊樹に取り込まれる」


 妻も娘も知霊樹に取り込まれた。


「まさに生け贄か」


「その通りだ」


「そいつは魔獣の類いか?」


「わからん、だが知霊樹は取り込んだものの知識を持っていて、それらを利用し魔方具を作ることもできる」


「なぜ、そんなことがわかる」


「ラグレシュルはその知識と魔方具を利用して、国を動かし守り続けているからだ」


「そこに取り込まれた女性達は助からないのか?」


「取り込まれた女性達がどうなっているのかはわからん」


「なるほどな」


 何を考えている?


「その取り込む部分と生産やらで利用されている部分は同じ場所か?」


「いや、取り込む場所は知霊の泉と呼ばれる石のような部分だ」


「ということは、なんとかなる可能性があるな」


 どういう意味だ?


「可能性とはなんだ?」


「取り込まれた女性達を助け出せる可能性だ」


 こいつはなんと言った?

 取り込まれた女性達を助け出せる?


「おい、それはどういうことだ?」


「そのままの意味だよ」


 こいつは本気で言っているのか?


「本当に助け出せる可能性があるのか? 妻や娘にまた会えるのか?」


「あんたも身内を捧げられていたのか……」


「本当にニノンとナノンを助け出せるのか!?」


 会えるのか二人に。


「ちょっと落ち着け」


 これが落ち着いていられるか!

 あの二人に会えることをどれだけ夢見たことか。


「その知霊樹ってのを見てみないとわからんが、あんたに聞いた話を考えると可能性はあると思う」


「本当に本当か!」


「近い、近いよ。冷静な奴と思ったら結構暑苦しい感じだな」


「うるさい、俺は元々はこうなんだよ」


「わかった、わかったから。それで他になにかあるか?」


「こうなったらとことん協力してやるよ。お前がどうやって知霊樹に近づくつもりか知らないが、知霊樹には強力な守護があって簡単には近づけない」


「後は?」


「その守護含め知霊樹の管理をしているのが、五賢老と呼ばれる存在だ」


「名前のまんま、古くから生きて国を牛耳ってる感じか?」


「そうだな。戦力としても国内の五強になるな」


 あのくそったれ共、強力な魔方具も牛耳ってやがるからな。


「他には?」


「後は直接関係してるかはわからんが、チキュウの人間が五賢老に接触しているとも聞いている」


「わかった。色々参考になったよ」


「いまさらだがこんな話を信じるのか?」


「合っていようが間違っていようが、どっちでもやることは変わらんからな。それでもあんたの妻と娘さんを助けられたら、確実にあんたのもとに届けてやるよ」


「よろしく頼む」




 外に出ると、元市長が待っていた。


「あなた、タフィナスさんが故郷に送られていました!」


 どういうことだ?


「あんた以外にも見張りがいたらしいな」


 くそ、本当にあいつらはくそったれだ。


「まあ、追いかけるだけなんだがな」


「俺が道案内をする」


「よろしく頼む、えーと」


「俺はサベローシラ・ラダヤル」


「わかった。よろしく頼む、サベロー」


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