94話 勧誘
ピョン次郎さんとチョコ太さんのコンビは危険だな。
映像から脳に攻撃してくる、新たな兵器なんじゃないだろうか。
目を閉じれば直ぐに思い浮かべられる。
夢にでそうだ……。
「申し訳ありませんが」
「あなたの力が必要なんです」
ん?
あれはキョウか?
鎧姿の女性に絡まれてる?
「どうしたキョウ。変な団体への勧誘でもされてるのか?」
「佐七さん」
キョウが視線で助けを求めてきた。
本気で困っているみたいだな。
「今大切な話をしているので邪魔をしないで頂けますか?」
「失礼、妻が困っているようだったので」
「杏華さんが妻!?」
なんで驚く?
「どういうことですか杏華さん」
女性がキョウをつかもうとしたので、とりあえず女性とキョウの間に体を入れ、女性の腕を払いのける。
「なにをするんですか!?」
いきなり人につかみかかろうとして、何をするって。
こいつは阿呆か?
「それはこちらの台詞ですが」
「あなたには関係ないでしょう」
「それもそうですね。それでは妻共々失礼させていただきます」
「え?」
いちいち面倒くさいやつに構う必要もないだろ。
関係ないって言ってるんだし。
「あの、佐七さん?」
「どうした? あの鎧の女性とまだ話でもあったか?」
「いえ、特にはありませんが」
「なら問題ないだろ」
「待ちなさい」
本当に阿呆のようだな。
待つ必要がないのに待つわけないだろ。
「待ちなさい!」
鎧の女性が前方に転がっていった。
うん、まあ、なんか捕まれるの嫌だったからさ。
ちょっと黒海な感じになっちゃったね。
「佐七さん」
「気にするな」
「待ちなさいと言っているでしょう!」
なんで剣を抜くのかね。
「ここまで私を虚仮にしてくれるなんて、少々痛い目にあっていただきましょうか」
痛いのはあんただよ。
なんで相手がみんな無条件で自分の話を聞くと思うのかね。
道端で偉そうに話してる他人とか普通無視するだろうが。
「後悔しなさい!」
はあ。
「待ってくださぺ」
二刀を構えた女性が割って入ってきたが、めんどくさいのでまとめてぶん殴る。
「え? 佐七さん?」
「いや、わざわざ出るタイミング伺っているようだったからな。たぶん
お仲間だろ?」
止める気があるなら、もっと前に止めてるだろうしな。
「こいつらは一体何がしたかったんだ?」
「私達を自分達のクランに入れたかったようです」
クランねぇ。
「なんでも地球の人達を保護して、集落を作っているそうです。その集落を守る人間を探していたようです」
色々考えるやつがいるもんだね。
ただ、さっきの様子からすると、なんとも微妙な感じがするけどな。
「最初に話をしていた女性は、高校の時の担任だった人なんです」
教え子を強引に勧誘か。
しかも最後は剣を抜きやがったしな。
あまりいい気分の話じゃないな。
「待ちなさい!」
まだ立ち上がれるか。
そういや、ナディを襲おうとしてた変態もそうだったな。
何か仕組みがあるのかね?
「柏原さん、下がってください」
二刀の女性も立ち上がるか。
「ですが!」
「下がってください」
二刀の女性の方が立場が上なのか。
「先ほどは申し訳ありませんでした」
「いえ、謝罪は結構です。そのかわりもう二度と関わらないでください」
「な」
こいつらなに考えてるんだ?
あれだけのことやって、まだ話を聞いてもらえると思ってるのか?
どれだけお目出度い頭なんだよ。
「貴様!」
そしてまた剣を抜くか。
上司の方も本気で止めるなら、腕切り落としてでも剣を下ろさせろよな。
「な」
「が」
時間ももったいないし、即退場だな。
しかし、地球側の集落ねぇ。
面倒くさいことにならなきゃいいけどね。




