43話 学園都市
コレが学園都市ね〜
思った以上にでかい街だな。
カシュタンテの城下町と城よりも広いんじゃないか?
「でかい街だな。この中に学園があるのか?」
「学園があるというか、この都市そのものが学園ですね」
まさに学園都市か。
「皆さんこちらです」
でけー門だな。
それに街を覆うように時空属性のフィールド?
「主、この程度の門であればいつでも破壊できますよ」
「何で壊すこと前提なんだよ」
「いえ、主は門を破壊することが多いので、今回もかと」
「余計なお世話だよ。あと、お前らの屋敷の門に関しては申し訳ない」
「あれはレーブの作品ですし、誰も気にしていませんよ」
気にしてやれよ。
あれレーブがめっちゃ時間かけて作ったやつだろ。
「それでだ。このフィールド、どう見る?」
「時空属性ではありますが……。 錬度が低いというか、密度がスカスカというか微妙ですね。少なくとも時空魔法をまともに使えるものの仕業ではありませんね」
「誰かの魔法というよりは機械的に展開されてる感じだな」
「広域に展開する魔法具でしょうかね?」
「そんなもんがあるのか」
「世界に満ちる魔力を燃料として、特定の魔法効果を広域に持続的に発現させる魔法具は存在しますよ」
「便利なもんがあるんだな」
「ただこのフィールドをみてもらえばわかるように、あまり強力な魔法は使えませんし」
「まあ、たしかにな。んでこのフィールド防壁の役目はあるとして、後の効果はなんだろうな」
「学舎となれば武術や魔法の研究もありますし、試技などによる被害を減らすための簡単な時間逆行などでは?」
「爺さんの封印先みたいなもんか?」
「あそこまで高度なものではないでしょう。精々指定したエリアの時間をちょっと戻すくらいでしょう」
「そんなもんか。しかしこれ、この学園都市のやつらが作ったのかね」
「どうでしょうね? もしかすると私達が破壊した都市か何かの跡地かもしれません」
「それが事実ならとんでもない骨董品だな」
「一応時空魔法に関連した装置みたいですし、状態維持の魔法くらいは使われているんじゃないですか?」
さっきから評価が辛辣だな。
「この程度のフィールドしかつくれない装置なら、そんなに複雑でもないですし、状態維持も簡単でしょう」
魔法が絡むとなかなか厳しいな。
作者が聞いたら涙目だろ。
申し訳ない、どこのどなたかわからない制作者の人。
「カシュタンテ王国に依頼のあった三名の神々に祝福されしチキュウ出身者をお連れした」
「トモエ・ヒダリ、ルーシェル・ヒダリ、キョウカ・ヒダリ。三名とも書類と姓が異なるようだが?」
そう、五人とも姓をヒダリに変えてしまった。
クリスとセフィが城でのやり取りの後に、すぐさまヒダリを名乗ったもんだから巴、ルル、キョウもそれにならってということらしい。
「つい最近ご結婚されまして」
「それはおめでとうございます」
「それと、これはカシュタンテ王国からの紹介状です」
「ふむ、三名の夫でもあるサシチ・ヒダリ。それにさらに二人の奥方、アスクリス・ヒダリ、セフィル・ヒダリ。後は従者のルド、リシャルの二名あわせて7名ですね」
ルドとリシャルに関しては姓まで名乗ると、場合によっては問題が発生する可能性があるので名前だけ。
従者なんかだと、名前だけのやつも普通にいるらしいので特に気にもされなかった。
あと妻が五人のところもふつーに流された。
セフィが言うにはこの世界では一妻多夫が普通にいて、あまり多くはないが一夫多妻もいるので誰も気にしないそうだ。
「学園都市に入る前に簡単な注意事項を。この街の中では階級や役職、所属などの肩書きは一切の意味をもちません」
「全員が対等な立場だと?」
「そうです、ですが例外も。自治委員には懲罰権が与えられております」
言ってるそばから対等じゃねえし。
「そしてその自治委員を含めた、学園都市の運営を担うのが学園運営委員会です。彼らにも例外的に、ある程度の権力があたえられています」
物騒だねぇ。
対等といいながら権力のあるやつとないやつに分れているとか。
しかも学生同士。
「あとは講師の方々にも、ある程度の権限が与えられております」
まあ、そっちはな。
学業に対しての評価を下す必要があるのであれば、その権限くらいはないとな。
下手すりゃ、テストの点数すらつけられなくなる。
「ちなみに運営委員会や講師に異議を唱えることは?」
「可能です。ですがそれが受け入れられるかどうかはわかりません」
はー、子どもが権力でお遊びする場なのかね。
なんにしてもあんまり長居する場所でもなさそうだ。
必要な情報集めたら、さっさとサヨナラかな。
「もうすぐ案内のものが参りますので、今しばらくお待ち下さい」
案内ねぇ。
はてさて何を案内してくれるのやら。
「お待たせしました。案内のものが来たようです」
結構時間がかかったな。
しょーもない悪巧みとかなきゃいいけどねぇ。
門番に案内されて、門をくぐると二人の女性がまっていた。
「ようこそ学園都市デルバレバへ」




