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174話

 

「む、ヘラレント。なぜここに?」


「その声はガンドラル!! いつの間に外に……? 声はすれども姿が見えぬ」


「爺さん、知り合いか?」


「うむ、そやつは儂と同じ属性神じゃよ」


「もしかして闇の女神か?」


「おお、よく知っておったな」


 おいおい、本当に闇の女神かよ。

 そして闇の女神はヘラレントさんて言うのね。


「おい、ガンドラル。その浮いているやつがお前なのか?」


「そうだ、ここから出ないというお主らとの約束だからな。そのため、この仮初めの体を使っておる」


「うーむ、たしかに約束は守っておるのじゃ」


 え?

 これ問題ないのか?

 ほぼ外に出てるようなもんだろ。


「それはそうじゃ。儂自身は一歩たりとも外には出ておらんからな」


「じゃが、眷属は外に出ているじゃろ。やつらも外には出ない約束であったはずじゃが」


「約束していたのは、儂と儂の眷属が外に出ないことじゃからな。やつらは既に儂の眷属ではないのでな」


「お前から眷属を奪うほどのやつがいるのか!?」


 奪ってないけどな。

 騙されて押し付けられただけだし。


「うむ、儂を越えるものが現れた」


「なんと! 創世以来、暴れだしたら止めるものがいなかったお前をか!?」


 暴れまわったの一回じゃないのかよ。

 爺さん最悪だな。


「うむ」


「それでその強者は何処に?」


「お主のすく横に居るじゃろが」


「横? ……まさか主殿が!?」


「そのまさかじゃよ」


「……じゃ」


 ?

 ヘラレントさん。

 なんかプルプルしてるぞ。


「流石なのじゃ! 妾の心を撃ち抜いた、あの拳はまさに本物だったということじゃ!」


 ぶん殴ったのは事実だが、心とか撃ち抜いてないからな。

 俺の預かり知らないことで、怒らないでくださいキョウさん。

 そしてそろそろ元に戻ってください、ナディさん。


「それにしてもヘラレント、しばらく見ない間に姿形が大きく変わったようじゃな」


「一度、存在を崩壊させられたからな。0から再生したせいで、このような背丈なのじゃよ」


「また0からか」


「うるさいわ! 前回とてお前が暴れたことが理由ではないか。お前のお陰で、我ら女神達がなんど一からやり直したと思っておるんじゃ!」


 爺さん最悪だな。


「ふん、そのわりにはみな若返ったと喜んでおったではないか」


 ……女神達、俗っぽいなぁ。

 神々しいとかこれっぽっちも思えないわ。


「その髪と瞳は?」


「こっちは妾にもわからん」


「白と金か。ヘラレント、お主再生時何処におった?」


「主殿の中じゃ」


「誤解を招く言い方をするな。俺の上着のポケットの中だ」


 キョウさん、だからそんなに睨まないでください。

 ホントに誤解です。


「ポケットの中は別空間か?」


「ああ、自分で作ったやつだ」


「ふむ。ヘラレント、お主もしかしたら眷属化しとらんか?」


「そんなことがあるはずなかろ……しておるの……」


 な!?

 もしかして……

 おいおい、眷属が増えてるぞ。

 女神が眷属とか流石にありえねぇだろ。


「その髪と目は再生に使った魔力と眷属化の影響じゃろうな」


 どういうことだ?

 ルド達はそんなことになってないぞ?


「どういうことじゃ?」


「ヘラレント、お主がおった場所は普通の空間ではない。其奴の魔力から作られた空間じゃ」


「ぬ? となると妾が再生に使った魔力は主殿のものということか?」


「そうじゃ。まあここからは推測に過ぎぬが、その髪と目は闇と時空の魔力が深いところで混じりあった結果じゃろうな。その結果、魔力の繋がりが強くなりすぎて眷属化した可能性が高いのう」


「しかし妾は属性神じゃぞ?」


「其奴の存在が我らより上という扱いなのではないか?」


「そんなこともあり得るのか」


「儂とてこのようなことは初めてじゃからの。先にも言ったが全ては推測にすぎぬわ」


「まあ良いか」


 良いのかよ……。

 一応この世界の最高位の神じゃねえのかよ?

 ホントに適当な奴等だな。


「そういうことであるから主殿、今後とも末永くよろしく頼むのじゃ♪」

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