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166話

 どうやらザーバレナさん達6人はレイラさん達のお眼鏡にかなったようだ。

 それはいいんだが、何故かその後襲われた。

 誉めてくれるのは嬉しいんだが、その勢いで襲ってくるのはどうなんだろうな?


「あなた聞いてますか?」


「すまない、もう一度言ってくれ」


「ザーバレナさんとパンナートさんのことです」


 なんでもいいんだけど背中にしなだれかかって話すのやめませんかレイラさん。

 こう、色々あたって気が散るんですが。


「あの二人がどうかしたのか?」


「彼女達に話を聞いたのだが、彼女達のやりたい事業というのがなかなか面白そうでな」


 ナディもナディで、なんで膝の上に座ってるんだよ。

 二人とも仕事モードのはずなんだけどな。

 昨日の夜の余韻が抜けてないのかね?


「事業?」


「うむ。探索者というものをしっているか、我が夫よ」


「いや、知らないな」


 探索者か。

 言葉通りなら何かを探す人たちなんだろうけどな。


「では、まずはそこから説明しますね、あなた」


「よろしくたのむ」


「探索者とは魔窟や魔塔を探索して財宝や魔方具なんかを持ち帰り、それらを売買して生計を立てている方達です」


 おー、なんかゲームっぽいな。


「その他にも魔獣や魔晶獣等を討伐して素材や魔結晶を収集し売買しているもの達もいる」


 さらにゲームっぽいな。


「探索者ってのはわかった。その探索者が事業ってのにどうかかわってくるんだ?」


「ザーバレナ達は探索者達を補助していく事業を立ち上げたいそうだ」


「補助?」


「ああ、ザーバレナ達が所属していた協会がその事業を行っていたらしいのだが」


「あまり行き届いた事業ではなかった?」


「まあ、そんなようなものだな。素材や魔方具なんかの買い取りも、探索者が自分達で販売する経路を持たないのをよいことに、かなり買い叩いていたらしい」


 売り先が一つしかないなら買い叩かれてもそこに売るしかないからな。

 それに他の店なんかともグルになってるだろうしな。

 最悪、協会から以外は買い取らないとかになってそうだからな。


「それに仕事を強制的に押し付けたり、仕事で負傷しても一切援助の手を差し伸べなかったりと、あまりよい事業ではないようです」


「なるほどね」


「そこで彼女達がもっと探索者に寄り添った事業を行いたいそうです」


「その協会とやりあって勝ち目があるなら俺はやってみればいいと思うんだが。レイラさんとナディはどう思ってるんだ?」


 協会との縄張り争いは避けられないだろうからな。

 二人から見て勝算があるならやってみればいいんじゃねーの?


「私たちもやってみてもよいかと思っています」


「そこでだな、我が夫よ」


「?」


「チキュウではフクリコウセイとかシャカイホケンというものがあったそうですね」


「それらの仕組みを彼女達に教えてやってほしいのだ。そして彼女達の事業の立ち上げに力を貸してやってほしい」


 社会保障とかその辺の話か……。


「俺は専門家じゃないからな。細かい所まではわからんが、それでも良ければ協力するぞ」


「助かりますあなた」


「うまくいけば他の仕事の連中にも流用できるかもしれんからな。よろしくたのむ」


 ファンタジーな世界でゲームみたいな仕事の人たちの社会保障を考えることになるとはね。

 まあ、安心感てのはよい仕事に繋がりそうだし、やってみるかね。 

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