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129話 とある女戦士の大誤算

 

 魔動機兵が5機か。

 それに、対魔獣部門の戦士が20人。

 他部門や裏仕事の面々もかなりいるな。


「フィーラリア、そこにいると危ないぞ」


 まだ魔動機兵が増えるか。

 ネルバ商会と敵対している商会連中の傭兵か?

 どこから情報が漏れたのやら。


「増援の魔動機兵が6機か」


 あの守銭奴オヤジの屋敷への制裁だ。

 あえて情報を漏らして恩を売ったのかもしれないな。


「これだけの戦力が集まると、なかなかに壮観な景色だな」


 たしかに、これだけの戦力になるとは。

 守銭奴オヤジとネルバ商会はどれだけ恨みを買っているんだ?


「さて、ネルバ商会へと向かうとするか」




 ラオケ支部長が商会のドアを乱暴に叩く。

 これだけの数で囲まれては、逃げることなどできはしまい。

 あの守銭奴オヤジがどんな顔をするのか楽しみだ。


「ラオケ様、当商会になにか御用でしょうか?」


「すまないな、今すぐ会頭にお会いしたいのだが」


「ネルバは只今お客様との商談中でして。なにかお約束をされていましたでしょうか?」


「こちらも急ぎの用でな。商談中に申し訳ないが会頭を呼んでくれ」


「申し訳ありません。お約束がないのであれば、先のお客様との商談が終わるまでお待ちいただけますでしょうか」


「急ぎの用だと言っている! この商会及びネルバ会頭には魔獣を街に連れ込み、街の治安を脅かそうとしている嫌疑がかかっている!」


 この執事も相変わらず、いけすかない奴だ。

 外の景色が見えていないわけでもないだろうに。

 顔色ひとつ変えやしない。


「場合によっては魔獣もろとも殲滅させてもらう!」


「それは国や協会の許可を取った上での宣告でしょうか?」


「無論だ!」


「ラオケ様、確認させていただきます。嫌疑ということは疑いがあり当商会とネルバの調査にいらっしゃった、ということで間違いありませんでしょうか?」


「そうだ」


「ではなぜあちらの魔動機兵は、こちらに武器を構えているのでしょうか?」


「魔獣が暴れた時に、直ぐに取り押さえられるようにだよ」


「あちらの方々が武器を構えていらっしゃるのは?」


「万が一にも魔獣が逃げ出さないようにだよ」


「最後に、これは私からの善意のご忠告としてお受け取りください。どうぞ今すぐに全ての武器をお収めください」


 こいつは何を言っている?

 この状況が理解できていないのか?


「只今いらっしゃっているお客様は、大変危険な方々でございます。もしこの状況を見られた場合には、敵対行動と受け取られる可能性がございます」


「それがどうかしたのか?」


「はっきりともうしますと、このままですとラオケ様達のお命にかかわる問題になるかと」


 私達の命に関わるだと?


「何を言ってい……」


 なんだ?

 支部長の横に赤い線が走ったような……。

 何の音だ!?


「ラオケ様、3番機がやられました!」


 ?

 やられた?

 魔動機兵が、今の一瞬でか?


「どういうことだ!」


「今の赤い線に貫かれた3番機の胸部に穴が空きました! 操縦席が破壊されたもようです!」


 旧型のアルノーとはいえ、魔動機兵のあの分厚い胸部装甲を貫いただと?


「クリスみたいに一瞬で燃やしつくす魔法もできるのか?」


「クリ姉の魔法? あんな狂った魔法、オレが使えるわけないだろ」


「どうやらお客様が出てこられたようですね。ラオケ様、皆様、逃げるなら今が最後の機会かと思いますが?」


「うるせぇ! 何をやったか知らないがこの数に勝てるわけがないだろう!」


 また赤い線!?


「4番機沈黙!」


 なんなんだ?

 一体何が起こっている?

 こいつら一体何者なんだ?


「ラオケ様、皆様、この世の中には触れてはいけないものというものが、本当に存在するのですよ。皆様はそれに触れてしまったようです」

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