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覚醒!

「ん?あれ?そうなると皆街へ行く必要無くなるんじゃないのかな?」

教えてくれる人が来てくれたと言うことは、わざわざ出向く事無くなったのか。

「そうなりますね。

ならば明日は私一人の移動ですね」

そうか、城に帰るシルジット一人旅だよね。

「その事なのですが、シルジット、私は暫く戻るつもりは有りません。

何十年かはこちらに居るつもりですので、私の後を任せます。

貴方は姫の婿として女王になる姫を支える為にも、王族にだけ伝わる魔族との歴史や付き合い方を学ばなければなりません」

あ、そうか、シルジットってお姫様と結婚するんだったよね。

「王と姫の了承も得ています。

姫も王から、王族の立場からの事を学ばれます。

貴方は王族としてではなく、国民としての立場から、そして魔族の方々から見た人族とはなどを学んでいただきます」

うおー、大変そう。

「そしてゆくゆく次代様が誕生された時、人族だけに偏らぬ教育をするのも貴方の仕事です」

大変そうじゃなくて大変なんだなぁ。

「今までは僭越ながら私の経験から教えておりましたが、この度こうして魔族と人族との関係が新たになるのですから、貴方は今まで以上の事を学ばなければなりません」

良かった、王族でもないし、姫の結婚相手でも無くて。

「この一月余りでも多くの事を学ばれたでしょう。

そうですね、少なくとも後一年はここで暮らして色々学んでいただきたいと思います」

うわー、シルジットいきなりの帰宅禁止の単身赴任状態?

僕としてはぼっち人族にならなくて有り難いけど。

「良いですね」

いや、聴いている風だけど、それって拒否権ないよね。

「……はい、宜しくお願いします」

シルジットさん、ご愁傷様です。


表面上は普段どおりのシルジットは「家族に伝えさせてください」と手紙を書くのに仮設住宅に戻った。

それを機にそれぞれ移動する。

サカユ達はオニギリに案内されて敷地内の色々な建設予定地を廻るそうだ。

デザイナー二人とサクラはカニスキとカラフルゾーンへ、ロウとレイは畑にしていい場所へ、トンソクの案内で連れて行って貰った。

ロアとピューレとニブは食堂へ、カーツは鳥の姿に戻り屋根の上へ。

そしてジュレはピータンとカマメシにギャーギャー文句言われてるけど……喜んでるみたいだから放置だ。

ガーリックは戻って来ないし、どこまで行ったんだろう。

まぁ、そのうち戻って来るよね。

僕はどうしょうか……うん、ご飯リベンジかな。


竃に向かう前に視線を感じて振り返る。

この視線はやっぱりホッティだ。

「どうしたの?」

「………人が……増えるの………………ヤダ……」

人見知り発動ですか…最近魔族の人に対しては随分人見知りしなくなったと思ってたのに、やっぱり魔族と純血種とでは違うのかな?

アンズの二の舞にならない様にフォローしなきゃね。

「町づくりに必要な人達だから帰ってとか言えないけど、ホッティは嫌なら近づかなくて良いよ。

何か聞きたい事とか有ったら僕も一緒について行くし、無理しなくて良いからね」

これが正解かはわからないけど、思った事を正直に告げたら、ホッティがギュっと抱きついて来た。

独り立ちしてても生まれてまだ二、三年だし、僕的に可愛いペッ……いや弟感覚なんだけど、側から見たらヤバイんじゃないのかな。

背中に赤ん坊、肩にスライム、腕の中には美少年…………ある意味ハーレムだね、うん。

ああ、僕の事を好きな女性、できれば人型、できれば性質的にまともな方求む。デスヨ。


*****


さあ、気を取り直してリベンジ開始。

お米を研いで……米粒を砕かない様力加減をして……水を捨てる時に米が流れない様慎重に…………あああ!もう、僕の不器用さん!

随分米粒流してしまったけど、前回よりは残っている。

うん、進歩進歩。

そして次は水の量か……前回は多くてべちゃべちゃになっちゃったから…こんなもんかな。

少なめに水を入れて竃に持って行こうとしたら……


ペチペチペチペチ……


おもちが背中をペチペチ叩く。

「ん?何どうしたの?」

「……………………」

相変わらず瞳は閉じたままなので起きてるのか寝てるのかわからないけど、寝ぼけたのかな?

「まぁ良いか」

歩き出そうとするとまた


ペチペチペチペチ……


『アルジ、何か伝えたがってるよ』

「うん、そうみたいだけど、言葉喋れないし……アンズ、何言ってるかわかる?」

『わかんないけど…多分その食べ物の事を言いたいんじゃないの?』

うん、僕もそう思うので、試しに水場に戻って水の量を減らしてみた。


ペチペチペチペチペチペチペチペチ!


違うらしい。

ならばと増やしてみる。

少しずつ、少しずつ水を増やすと


ペチーン!


と一発思いっきり叩かれた。

赤ん坊だから痛くもなんともないんだけどね。

成る程、米に対して水の量は1.5倍程なのか。

え?もしかして、もしかして、もしかするの?


竃に移動して食堂の台所から火種を貰って来る。

興味を引かれたニブやロアが付いて来る。

竃に火を入れて風を起こしてもらい火の勢いを強くすると


ペチペチペチペチペチペチペチペチ!


薪を掻き出し火の勢いを弱くするとそれで良いみたい。

このまま弱火でじっくり炊くのかな?と思っていたら、暫くするとまたおもちがペチペチ叩く。

「えっと…火を消すの?」

ペチペチペチペチペチペチ!

「強くするの?」

ペチーン!

ペチペチの合図のまま火加減を調節する。

すると良い匂いがして来た。

今度は成功?思わず蓋を開けようとしたら


ベシーーン!


と頭をはたかれた…。

今のは少し痛かった……、


火を止めてからもペチペチベシーーンで合図され、ふっくらご飯出来ました!

やっぱりおもちが神様の加護持ちの僕の救世主なんだね。

これは味噌醤油も遠くない?

ああ、ワクワクドキドキが止まりませんわな。


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