山は食材の宝石箱や〜
地図は無いから、覚え書き程度になるけど、筆記具をシルジットに持ってもらって探索開始。
……ほら僕喋れても書けないから丸投げです。
山は食材などの発見の連続だった。
まず目に付いたのが竹林。
竹で思い浮かんだのが筍、竹を使った水筒、何かの漫画で読んだ記憶がチラリと有るんだけど、竹の中に食材入れてそのまま火にくべると、竹の風味が良い感じの蒸し焼きになるとか?
後竹串!焼き鳥や豚串、良いよね!
「そう言えば笹の葉って殺菌効果が有るとか聞いた覚えがあるけど、こっちではどうなんですか?」
「殺菌効果…ですか?
聞いた事有りませんね」
んー、確かちまきとか笹の葉で包むから長持ちするとか、昔は弁当箱代わりにおにぎりとか包んだりとか?
傷に貼り付けたりとかも何かの漫画で読んだけど。
「竹は色々使えるので後日回収しましょう」
竹林を抜けて進むと沼地に出た。
沼の中には蓮の花が咲いている。
蓮と言えば蓮根か?
試しにガーリックに一本抜いてきてもらった。
飛べるって良いね。
うん、小振りだけど蓮根だ。
醤油が無いから煮物は無理でも、挽き肉挟んで蓮根のはさみ揚げとか美味しいよね。
うん、ここも要チェックだ。
沼の先はアレだ、あのトトロの……フキだ、フキが群生している。
でも煮物以外に使い道思いつかないので場所を書き記して終わり。
その辺りは後知っているのだとゼンマイが有った。
……きっと他にも山菜沢山有るんだろうけど、雑草との区別つきません。
ゼンマイは先っちょがくるっとしてるから分かったけど、他はわかんないよ。
きっと山菜の宝庫で有ろう裾野の平地部を抜け、少しずつ登ってみる。
木々の間を抜けていると色んな果物や木の実を発見した。
桃、栗、柿、梨、林檎、バナナ、ミカンにマンゴーにライチ?
…………おーい、土地柄や季節無視なのですかー?
まあ、こちらとしては色んなものが食べれるから良いんだけどね……
何だろう、モヤっと感が拭えないです。
木の恵みゾーンを抜けると暫く何もない……と思っていたんだけど、木に巻きついている蔦、あれってもしかして……。
試しに蔓の根本を掘ってみるとやっぱり山芋だ!
これは是非スキヤキにおろし金作ってもらってトロロを食べなければ!……あー、やっぱり醤油は即急に欲しいよ。
一日目の探索はそこまでにして夜営。
今日発見した食材を知っているかとか、料理方法とか、逆に僕が知らなくてこちらではポピュラーな木の実などの情報交換しながら眠りについた。
*****
二日目、一足先にガーリックに空から様子を見てもらい、このゾーンを抜けた先に広範囲で花々が咲き乱れる開けた場所が有るとの事。
そこはホッティとシルジット大感激の薬草群生地だった。
言い伝えでしか知らなかった希少価値の物も多数有るそうで、いつになくテンションの高い二人にその場に居てもらい、アンズとガーリックの二人を連れて林と広場の境目をグルッと回ってみる。
うーん、花は詳しく無いしあまり興味も無いから普通に綺麗だね、としか思えない。
ただこんなに沢山花が咲いていて殆どが薬草だと言うのだから、ここの花で蜂蜜採れればとっても身体に良い蜂蜜になりそう。
でも養蜂なんてそうそう素人が手を出して良いのか不安なので、そんな思いつきが有ったとだけ書き加えて貰おう。
昼ご飯食べたりアンズと鍛錬したり、ガーリックと話したり、一旦荷物を皆の所まで飛んで持って行って貰ったり、たり、たり、たり、たり…………。
結局その日はそこから進めませんでした。
*****
三日目、一晩寝て流石に落ち着いたホッティとシルジットを連れて出発。
……それでも名残惜しそうだったけどね。
その日はまたもやの木の実ゾーン、下とは違う種類の果物や木の実がたわわに実ったゾーンだ。
酒造りに持ってこいな酸っぱい葡萄も有ったのでここも要チェック。
更に登ると背の高い木々は減ってきて今度は何と言うんだろう、野菜ゾーン?
とうもろこしやそら豆、西瓜やトマト、茄子にキュウリ、
でも自然発生らしく、形は不揃いでキュウリなんかはクリンクリンしている。
そしてじいちゃんの家用の畑にも沢山なってた、じいちゃん曰く万能豆の枝豆。
塩茹でして枝豆、乾燥させれば大豆、絞って油、絞りかすは鶏たちの餌、発酵させて納豆、茹でて絞って豆乳、にがりを加えて豆腐?豆腐からおから?どうにかして味噌、こうにかして醤油、粉にしたらきな粉だっけ?
豆乳と豆腐とおからときな粉はばあちゃんが作ってたな。
作ってるとこ見たこと無いから作り方は知らないけど……。
ああ、もっと色んなことに興味を持っておくんだった。
夕食時に塩茹でした枝豆を久しぶりに食べたけど、枝豆美味しいよね。
皆にも好評だった。
これは町が出来たら畑作って育てたいな。
そして僕は成っているところを見た事なかったからきづかなかったけど、胡麻とか胡椒とかサトウキビとかも有ったらしい。
胡麻は粒を見ればわかるけど、さやの中に入ってると全然わからない。
ましてサトウキビなんて言われてもわからないよ。
しかし不思議な事に、僕は肉スキーでまずはお肉、そして洋食、だったのにこちらの世界に来てからは、食べれないと思うからなのか和食が食べたい。
特に煮物やおひたしはほぼ毎日食卓に上ってたから「またか」とか思ってたけど、非常に食べたい。
早く味噌や醤油が手に入らないかな。
*****
翌日も山を登りそろそろ山頂って所にそれは有った。
最初見た時はアケビかな?と思ったその植物、近くで見てみると薄っすら繊毛の生えた紫色っぽい蔦に生えた実で、熟したアケビみたいにバッカリ開いて中身が見えている。
中が白っぽいから遠目では本当にアケビだと思って、大して好きでも無いからスルーしようとしてたんだけど、シルジットの言葉で足を止めて大正解だった。
「コウイチ様、あの実も採って行きませんか?」
「アケビでしょ?
僕はあんまり好きじゃ無いけど、好きな人も居るだろうから少し持ってく?」
「アケビ?……コウイチ様の居た世界ではそう呼ぶんですか?
こちらではタッカクと言いますね。
実を乾燥させて麺にするんですけど、少し変わった風味で人気が有ります。
ただなかなか手に入らないので収穫して行きたいのですが」
「ん?甘い果物じゃ無いの?」
麺を作るって言うなら穀物?…………もしかして……
タッカクの実を一つ捥いで中の実をよく見てみると……これってどう見ても米だよね?
しかも白米……だよね?木の実だけど、米だよね!
「これって麺にするだけ?
ご飯にして食べれないの?」
「…ご飯……ですか?
それはどう言う食べ方なのですか?」
「これってそのままじゃ食べれないから麦みたいに粉にして麺を作る物なんじゃ無いの?」
シルジットもガーリックもご飯は知らないみたい。
完熟と言うのか、今にも弾けそうになってる実から白米を取り、米を炊く準備は無いのでとりあえずお粥みたいに煮てみる。
「ああ、やっぱりお米だ、お粥だ、あー、久しぶりのお粥美味しい……」
しみじみと呟きながら久々のお粥を食べる。
お粥なんて病人食だし、大して美味しいと思った事ないのに、今とても感動している。
やっぱり日本人には米だよね。
どうやらこのタッカク高山でしか育たない為平地では培養出来ないから珍しいのであって、結構丈夫なん植物なので、山の高い所には雑草並みに生えているそうだ。
麺を作るには小麦が有るし、人族としては魔族と取り引きするのなら小麦で作れる物より肉や魚の方が優先になるのは納得だ。
でもこれ麺だけじゃ無いんだよ、米が有れば……
おにぎり、雑炊、チャーハン、丼物なんかも…………
ああ、妄想が止まらない。
大量に収穫して持ち帰る事にする。
*****
その後は足取りも軽くサクサクと山頂を目指し上って行った。
タッカクの群生地から先は背の低い雑草がちょろっと生えている鉱石地帯だ。
なぜに水晶が剥き出し?水晶って山の中の洞窟に有るもんなんじゃ無いの?
とかそう言うのはもう考えるだけ無駄だと理解している。
この山自体が季節や土地柄的なもの一切無視なんだし。
ふと思い出した神話の神様でウカ…ウタ……ウケ……?そんな名前の食べ物の神様がいたような。
そんな神様の加護のある山、僕の中ではそんなイメージなのでこの山は【ウノ山】と呼ぶ事にした。
そして、そして、そして!米を持ってウキウキ下山。
え?タッカクだって?もういいの、これは米、稲の実が米なんだからタッカクの実も米でいいの!
一刻も早くご飯を食べたくて、ガーリックに抱えて貰い一足先に空から下山。
シルジットとホッティはもう一度薬草ゾーンに立ち寄るそうなので気にせずにいられた。
山は一話で済ませたかったので会話が少なくなってしまいました。
なのにちょっと長い…。
すみません。
山を降りてご飯パーティ……になるのかな?
ふふふふふ、明日をお楽しみに




