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(やっと)ドラゴンと会う

その後もわやわや有りました。

寝る時はホッティとガーリックに挟まれて、胸の上にはアンズちゃん。

おかげで翌朝目覚めると……って事態は防げたんだろうけど、どうせならサクラさんに添い寝して欲しかった…。

ホラ、僕だって健全な元男子高生なんだから、男性より女性……もう黙ろう………。


*****


「さあ、朝よ。

決着を付けましょうか」

朝っぱらからオネエさんはゲンキデスネー。

「望むところですね」

『捻り潰してやる!』

ワーウルフさん、戦闘ではなく競争ですよね?

「えっと……僕は先にドラゴンに会いに行った方が良いと思うんだけど」

目的はドラゴンだよね?競争は後回しで良いよね?

「あら、ごめんなさい、どのみち洞窟には貴方達三人しか入れないの」

僕とアンズとガーリックを順に指差す。

「高々純血種如きが主様に会えるわけないのよ、ほほほほほ」

……なんだろう、バイト先でもこんなおばちゃん居た。

一言余分なんだよね、わざとなのか無自覚なのか、一々人の癇に触る人って何処にでも居るんだ。

うわっ、空気悪い……

「じゃあ僕達は中に入るけど、競争するなら気を付けてね」

声をかけるけど聞いちゃ居ない。

どうやら最短距離で山を降りて戻ってくるってコースで競争するみたい。

頑張って下さいデスヨ。

「ホッティはどうするの?」

背後に声をかける。

「…………薬草…探す……ドラゴンの山……竜の爪あるって……噂聞いたから………」

ああ、探し物が有ったから付いて来たんだね。

「じゃあどっちが先に戻ってもここが待ち合わせ場所って事で解散で良いかな」

皆が了解してそれぞれ3グループで別行動をとる事に。

僕達は洞窟の中に向かっていざ出発。


*****


洞窟の中は一本道で迷う事無く進めた。

暫く歩くと巨大な空間に辿り着いた。

巨大な空間の中には誰も居ず、空間を遮る様な壁が伸びている。

猫オネエの話だとここにドラゴンが居ると言うのだけど、高い壁が有るだけだよな。

何処に居るのかな?小さくて壁の穴とかに隠れてるのかな?

壁沿いに歩いて行くと腰の高さくらいまで有る木の根っこみたいな物が有ったのでよじ登ると……あれ?今この壁動かなかった?

「……コー、足蹴にするのはどうなんだろう……」

え?ガーリック、何の事?

『アルジ、踏んでる踏んでる』

んんんー?

『痛くは無いが、髭から降りてもらえるかな』

うおっ⁉︎

頭の中に声が響いてきた、ちょっとこの感覚気持ち悪い。

思わず両手で頭を押さて固まってると、ガーリックが脇の下に手を入れて抱えて地面に下ろしてくれた。

「え?何処に居るの?………え?……もしかしてこの壁………?えええー」

壁の上部を見ると、有りましたよ、こちらを見ている目玉が……。

巨大な空間に有るのは頭だけ、その頭のサイズはざっと見た目、高さ3メートル以上?身体は見えない。

と言うか山肌って言うのかな、洞窟の壁と地面の間から頭が生えてるって感じ?

頭だけでこの大きさなら全体のサイズはどんだけなんだろう。

てっきり残念世界ならではなちっちゃなトカゲってイメージだったのに、全然違ったよ。

予想外だったのはもう一つ。

ドラゴンって聞いてたからトカゲ系…要はロープレに出てくる翼を持ったやつを想像してたけど、そっちじゃ無くて龍、中華系って言うのかな、蛇系?タトゥーとかに有るデザインの方。

僕的にはこれはドラゴンではなく、ロンと呼びたい。

オタクな親を持つ子供として拘りたいよ、うん。

『どちらでも良いぞ。呼ばれ方に拘りは無いから好きに呼べば良い』

あ、現実逃避していたら考えを読まれてしまった。

頭の中など読めないアンズとガーリックは突然のセリフに思えた様で首を傾げてる。

『我はこの大きさなので声を出して話すと主らの耳が壊れる恐れが有るのでな、慣れるまで我慢してくれ』

ああ、確かにこのスペースでこのサイズの頭部から出る声はハウリングとかも起こしそうだし、鼓膜が破れたり脳が揺れるだろうね。

『そうだな。しかし主は声を出すが良いと思うぞ。

連れに通じぬだろう』

「アドバイスありがとうございます。声にしないと通じませんよね」

『フハハハハハ、無理して言葉遣いを改める事はない、喋りやすい様に話すが良い』

「気を使っていただきありがとうございます。

でも頭の中と違い対人…人?と話す時はこうなりますね。

正しい敬語などは使えてないでしょうけど、会話をする時は相手を不快にさせない話し方をする様に心掛けろと言うのが父の教えですので、無理しているのではなく、これが僕の楽な会話の仕方なのです」

『そうか、主がその話し方が楽ならそれで良い』

「ただ、まだ世間知らずなのは自覚有りますので、たまに変な言葉遣いになったり、咄嗟に突っ込んでしまうのはご容赦ください」

『良い良い、言葉を取り繕っても我には無駄な事だから、自然に振る舞えば良い』

「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げる僕にロンは壁際に有る出っ張りに腰掛ける事を勧めてくれたので、遠慮なく正面に腰かけた。

壁際とロンの頭までの距離は2メートル弱かな。

本当にデカイのでかなりの迫力だ。あの口を開けるとパクリと一飲みだろうな。

『喰わぬから心配するな』

あ、ヤベ、そうだった、考えダダ漏れなんだった、すみません。

『ハハハハハ、面白いのお、心は千々に動くのに、恐怖心は全く無しか』

「確かに大きさには驚くものは有りますけど、恐怖は無いですね。

こちらから危害を加える事がない限り、貴方もこちらに何かをする事は無いでしょう?」

『ほほう、何ゆえそう思う?』

「だって貴方神様ですよね?」

アンズ達にも分かる様に声に出して言った。


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