パーティーでパーティー紹介
その夜、昨日断ったパーティーが開催された。
王妃様と王子や姫様、大臣や宰相やら将軍やらやら…一度に紹介されても分かるかっちゅうねん。
どうせ明日この城から出るんだから覚える気もないし。
てな訳で立食なのでご馳走食べて回ってます。肉やら肉やら肉を。
お腹がいっぱいになった頃改めて王様に呼ばれた。
「おお、笹木野様、この者共が貴方を案内する者達です」
パーティーの途中にパーティーの紹介?とか突っ込みたかったけどやめておこう。
名前だけ伝えられて後はそれぞれが詳しく自己紹介をする様に、とか言って王様は王妃様の所へ戻って行った。
放置かよ。
「えっと、初めまして、コウイチ・ササキノです。コウイチと呼んで下さい。色々わからない事多いと思いますのでよろしくお願いします」
一応外国っぽい感じなので名字を後にして名乗ってみる。
パーティーは四人、うち見知った顔が一人。その一人のお財布さんが一歩前に出る。
「コウイチ様、先程ぶりです。改めましてシルジット・アスアムです。
魔族の国を作る予定の場所までの案内をさせていただきます。
後は回復係ですかね。
よろしくお願いします」
シルジットさんに続きキレイなお姉さんが前に出た。
「初めまして。スケエリア・リスリムと申します。
火属性の魔法を使えます。 旅の間の食事や衛生面をサポートさせていただきます。よろしくお願いします」
めちゃめちゃ好みのタイプなんですけど。
僕より二つくらい上かな?
スタイルも抜群!有名な泥棒アニメのあの人みたい。
テンション上がるわー。
これフラグかな?フラグかな?
心の中で小躍りしてるとスリムな男性が前に出た。
「……アスリム・ラクリラ。……狩をする……」
僕より少し年下かな?小柄で細身の男性。
ボソボソって喋るちょっと暗そうな感じ。
だがイケメン!
ヤベー、負けましたわ。
いや、お財布さん事シルジットさんもほんわかイケメンだし、正直言って王様を始め会場にいる人皆イケメン&美人‼︎
チキショー!フツメンの僕が浮いてるよ!
心の中で叫んでいると最後の一人が前にでた。
「初めまして、カクムンド・バナナンです。騎士団の中で一番力が有ります。
馬の扱いにも長けているので馬車の御者と多少の護衛をさせていただきます」
父さんと同世代、40歳位のごっついおじさんだ。
僕が173センチだから180センチくらいかな?
縦にも横にも僕より大きい。
頼りになりそうだ。
この四人と僕との五人パーティーで明日からの旅が始まるのか。
正直今でも帰りたいけど、折角のフラグは回収しないとねー。
ちょっぴり楽しみにしつつパーティーの夜は更けていった。