シーズンバトルに行き当たった
さて、カラフルハウスを出て、待合場所の沼に向かう馬車の中で、駄女神にクレーム入れて、今はまだ移動中。
そしてトラブル発生。
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明日には待合場所に着くと言う昼過ぎ、林の中の広場でワーウルフのシーズンバトルに行き会ってしまった。
50匹近いワーウルフが集っている。
半数以上は一歩下がった所に居るので、そちらは負け組みが集まって会えるんだろう。
広場の中央では20匹程が闘っている。
牙を剥き、爪で引き裂き、体当たりをし、血塗れになりながら闘っている。
「迫力ある…」
小さく漏らすとシルジットも頷く。
「私も話には聞いていましたが、こうして間近に見るのは初めてです」
そうこうしているうちにまけぐみがこちらに気づいた。
『おい、人族が居るぞ!』
『大事な闘いを邪魔しに来たのか?』
「なんだなんだ、ちょっかいかけに来たのか?』
『丁度いい、負けてむしゃくしゃしてたんだ、こいつらを追い払うのは俺がやるぜ!』
『なんだと!抜け駆けすんなよ、俺もやるぜ!』
あ…なんかやばい感じ?
「かなり唸ってますが、彼らは何か言っているのですか?」
「シルジット、かなりヤバイです、他の四人と避難してください。
後馬車から木刀取って来てもらえますか?」
「わかりました」
四人を下がらせていきりたっているワーウルフの前に進み出る。
正直言って数が数だし、あの爪と牙を相手って不安でしかないけど、ここで僕がビビっていてはナメられる。
弱者判定されたら逃げても追いかけて来られるかもしれないし、絶対馬車なんてすぐ追いつかれるだろうから、虚勢でもいいから引かないで強気で向き合う。
僕が負けたら皆やられるから、やれるとこまでやらないと…。
『んー?何こいつ、俺たちに向かってくる気か?
人族のクセに生意気な』
『へへへー、お前俺より弱いんだからそこで見てなよ、こいつは俺がブチのめす!』
『なんだとー、俺は弱くねえ!』
『一番最初に負けたクセに』
『よーし、先にお前ぶっとばーす!』
一部が内輪もめ始めたけどまだ14,5匹はこちらに向かって牙を剥いている。
『アイツ木の棒持ってるぞ』
『何だよ、身体一つで闘うのが決まりだろ』
『何だよ、卑怯か?』
ワーウルフ達が騒めきだしたので冷静に聞こえる様にゆっくり答える。
「そっちには立派な爪や牙が有るけど、僕には無いからね、爪と牙の代わりに使わせてもらうよ」
『!!』
『おい!あの人族喋ったぞ!』
『人族なのに言葉が通じるのか?』
「まあ、色々事情が有って魔族の人達の言葉は通じるよ。
詳しい事は後でゆっくり説明するからやるならやろうか」
正直いつまでも対面している緊張感がキツイので、やるなら早く終わらせたいから挑発してみる。
『でもそっちは一人だろ?
弱い人族相手にこっちが複数だと笑い者になるからな。中央で闘っていた
誰がやるか決めるから待ってろ』
いつの間にか中央に居たワーウルフ達も闘いを中断してこちらを見ている。
『えー、アルジ一人で楽しむつもりなの?
僕も混ぜてよ』
馬車の中で寝て居た(と思う、スライムって顔が無いからはっきりわからないけど)アンズがぴょんぴょん跳ねながら近づいてきた。
『!!スライム…だと…』
『ふむふむ、ワーウルフね。
これくらいならアルジと俺とで楽勝だね』
跳ねながら挑発するアンズ。
『ちっ…、スライム相手でもここまでバカにされたら引けないぜ!
皆、いくぞ‼︎』
中央に居た一番身体の大きなワーウルフが吠えるのを合図に全てのワーウルフが僕とアンズに向かってくる……
すみません、楽勝でした。
いえ、九割アンズがやってくれました。
スライム最強。




