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海獣現る

入り江を暫く歩いていると、少し先の岩場の上に何か生き物の影が見えたので近づいてみた。

逆光で影しか見えないけど、岩の上で誰か寝ている?

いきなり近づくのもなんなので、声をかけてみようかな。

「こんにちはー、ちょっとお聞きしていいですか?

僕マーマンよ純血種の方を探しているんですけど、ご存知ないですか?」

純血種の人ならラッキー、普通のマーマンなら拳で語り合った後に情報貰おう。

「んあ?純血種って俺の事かな?」

横になったまま返事が返ってくる。

「少しばかりお話しさせていただきたいんですけど、お時間よろしいでしょうか?」

あ、何だか怪しい訪問販売みたいになってしまった。

「今飯食ってんだよ」

寝転がってるよね?

寝ながら食べてんの?

「じゃあ食事が終わってからで良いですから、少し話を聞いていただけませんか?」

譲歩してみる。

「飯終わるの?

昼食べたらそのままおやつ食べて、間食の後夕飯で、その後晩御飯食べて夜食だから寝る前なら終わってるかな」

ちょっと待て、起きてる間食べ続けるの?

「えっと…食べながらでも良いので話聞いてもらえますか?」

「それで良いなら良いけど」

「じゃあそちらの岩場に行っても良いですか?」

「どうぞー」

受け答えしてる間もずっと食べてる。

とにかく純血種の人が横になってる岩場に登ってみた。

そこに居たのは半魚人でも人魚でもない

「チョココロネ?」

茶色三段バラのオットセイ?トド?

いや、きっとジュゴンってやつか?

でも胸より上は人、胸から下がバインバインバインとムッチムチの半魚人ならぬ半海獣。

そして無駄にイケメン。

胸から下は巨漢なのに顔は小顔って下手なアイコラ状態でちょっと不気味ですよ…。

「チョココロネって何?」

「僕の居た世界のチョコレートって言う甘いクリームの入った菓子パンです」

「美味しいの?」

「美味しいですよ。チョコの甘さや生クリームとのコンビやら、バリエーションもありますし、僕はよく食べてました」

「おおー、食べてみたい。

魚や貝ばかり食べてるから最近食欲減少してるんだよね」

いや、あり得ないでしょ、話してる間もずっと食べてるじゃん。

「それじゃあチョコレートが作れたら差し入れさせていただきますよ」

「本当に⁈

チョコレートってどうやれば作れるの?

それが有ればチョココロネ作れるんだよね?」

確かカカオと砂糖で作れるんじゃないの?

「元になる木の実見つけられたら何とかなるかもしれないので探してみますね」

僕も甘いもの食べたいし。

「おおー、楽しみにしとくよ」

「えっと、それで本題なんですけど、今度僕魔王になる事になってまして、魔族の方と人族の橋渡し役みたいな事するんです。

それで海で暮らしている魔族の方にも協力していただきたくって」

「協力って?」

「そうですね、魔族の町を作ったら、人族と交易でもして対等な共存関係で仲良くしていこうと思ってるんです。

なので海産品を取ってきて貰ってそれを人族の食べ物と交換したり…」

「協力する!」

被せ気味に即答された。

「もう本当に魚介は食べ飽きたんだよ。

陸の木の実とかだと手に入る事はあっても、人族の食べ物となると……うへへへへへ」

顔だけイケメンが食べ物を想像…妄想して顔面土砂崩れだ…。

「他のマーマンの方々にもお願いと言うか、力試しで人族を襲わないで欲しいんですけど。

ひ弱な人族との力試しで人族に結構深刻な被害があるので、それを無くすために魔王になるんですよ」

「あー、陸の魔族は人族見かけると玩具見つけたみたいになるらしいね。

マーマン達は泳ぎや素潜りの勝負するって海に引き込むから、結構溺死してるもんね」

は?それヤバくない?

これは確実に共存関係結ばないと。

「あ…あのー…人族襲わないようにしてもらえますか?」

「良いよ」

軽!

「面倒だけど人族の食べ物の為だもんね。

俺より早く泳げる奴居ないし、深く潜れる奴も居ないから、俺が抑えつけとくわ。

「抑えつけるだけだと反発しそうですし…。

そうだ、魔族の町が出来たらですけど、誰が一番多く海産物を集められるか、誰が一番早く品物を運べるか、一番多く運べるか、とかを競い合わせるってのはどうでしょう?」

「おおー、それなら不満も出ないかな」

要は競い合う事が出来れば良いのだろうから。

「じゃあなるべく早く町を作ってお知らせしますので、それまでは抑えてていただけますか?」

「良いよー。

その代わりチョコレートの件も忘れないでね」

何だかちょこちょこ軽い。いや、親父ギャグとかでなく。

「よろしくお願いします。

それで今はアシンのステーキとか有るんですけど、何か魚と…」

「すぐ取ってくる!」

言うが早いか海に飛び込んで行き、ものの二、三分でイルカサイズの魚を取ってきてくれた。

「交換、交換」

「ありがとうございます。

ではこちらと…あ、そうだ、名前はなんとおっしゃるんですか?」

「名前?そんなのないよ。

あれって人族に付けてもらうのが普通だろ?

…あ、そう言えばさっきつけて貰ったよね?」

ん?何の事?もしかして…

「俺の事はチョココロネって呼ぶが良い」

名付けたつもりなんか無いんだけど。

見た目がそう見えただけなんだけど、

まあ本人がそれで良いって言うなら良いか。

僕のセンスじゃ無いからね。

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