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勧誘するよ

「スキヤキさんは鍛冶職人なんですね」

「職人?そんなんじゃないさ。

あくまでも趣味でやってるんだからな。

俺はいろんな物を作りたい、鉄を巧く打てない人族は自分に作れない物を作って欲しい、需要と供給とか言うんだろ?

自分が楽しいからやってるだけだ」

「そうだね。俺達も造りたいから造ってるだけだもんね」

『えー?俺は何か作ろうとか思わねえな。

戦う方が面白いじゃん』

「やっぱりその辺りは俺達純血種との違いなんじゃないの?」

成る程、力を求める魔族と、それぞれの興味のある事を極めようとする純血種、そんな差が有るのかな。

「だってこんな石っころが鉄になってそれがまた色ん物に変わるんだぜ。

面白いよなぁ」

目をキラッキラさせる美少年。

でもスキヤキ君…。

「前居た沼の水だと不純物が混じる事が有るからね、流れる川の水だと完成度も上がりそうじゃない?

そう思って川の近くの洞窟探してたんだけど、コイツらが家要らないかって言うから造ってもらったんだ」

「洞窟だと火魔法で熱くなったら息苦しくなって倒れたりするだろ?」

ああ、二酸化炭素中毒とか言うやつかな。

「木の洞たと鉄作れないだろうし。

そこで家だ」

オニギリがドヤ顔で胸を張る。

「家、良いよね。

洞窟だと雨が降ると地面がぬかるんでくるし、木の洞だと虫が凄いからね。

人族の街に獲物持って行った時雨が降ってさ、雨宿り?とか言って家の中に入れてもらったんだけど、兄貴と二人でこりゃスゲーってなってさ」

「これは俺達も住むのが良いんじゃないかって、家造ってる人紹介してもらって弟子入りしたってワケよ」

「で、俺は土魔法と火魔法使えるから外側造って」

「風魔法と水魔法使える俺が木を加工してドアや床とか造ったりで二人で造れるようになったワケよ」

「造れる様になったからには造りたいじゃない。

だから出会う奴らに家要らないかって聞いて回っているんだ」

建設屋さんの飛び込み営業?

でもこれは使えるよね。

「造れるのは家だけですか?」

「寝る時に簡単な囲い作ったりはするよな」

「後は街に建っていた物なら一通り作れると思う」

「それなら城とかも造れたりします?」

「「城?」」

二人の声が重なる。

そしていつもの説明を…。


*****


「へえー、魔族を纏める…ねえ」

「まあ俺達純血種は色んな知識やら物を人族から教えてもらったり交換したりするから共存するのはありがたいと思うけど、確かに普通の魔族は力試しが一番って奴らばかりだから、迷惑かける事多いだろうな」

「まあアイツらも楽しい事したいって思ってるだけで悪気は無いだろうけど、人族はめちゃくちゃ弱いから、離れて欲しいってのは分からなくもないけど」

「確かにそんな面倒な事誰もやらないからな。

アンタが他の世界から召喚されたってのもわかるわ」

三人がこんな面倒な事よくやろうとするよな、的な視線で僕を見る。

「でも城か」

「あのでっかい建物だろ?

そりゃあ造ってみたいよな」

鬼人の二人は乗り気みたいだ。

「後これからどんどん他の純血種の方々の所を回るから、家を建ててって人もいっぱい居るんじゃないかな」

「おお、普通の魔族なら家ってもピンとこないだろうけど、純血種なら家の良さ分かるだろうな」

「そしてらドンドン造れるワケか」

そりゃあ面白そうだと、二人は頷きあう。

「それとスキヤキさん、鉄製品は武器と防具しか作らないんですか?」

「ん?武器と防具の他に何が有るって言うんだ?」

「僕の居た世界では鉄製品は色んな物が有りますよ。

例えば調理器具とか、階段とか…えっと今思い出せないけど他にも色々作って貰えると助かるなあ、と」

「へえ、面白そうだね」

スキヤキさんも興味持ってくれたみたい。

「魔族の町をつくったら、人族と交易もするつもりだから、人族からの依頼で今まで使った事の無いものとかも作れるかと」

「それは惹かれるね」

「家も魔族の町が出来たら皆んなの住処を造らないといけなくなるから、ドンドン造ってもらう事になるかと」

「そりゃいいな!」

よしよし、三人共乗り気かな。

「魔族の町を造るのに手を貸していただけますか?」

「良いだろう」

「面白そうだから手伝うよ」

「思う存分家を造れるってワケだな」

「ありがとうございます。

それじゃあまだ他に回って、町を造る場所とかの目処が付いたらお知らせしますので、その時はよろしくお願いします」

スキヤキさんにペコリと頭を下げる。

「オニギリさん達は出来れば同行していただきたいんですけど…。

野宿の時囲い?を造ってもらえると安心して眠れるし、建築ではないけど、土木作業なんかをお願いする事も有ると思うので」

「土木作業とは?」

オニギリさんに聞かれたけど、この世界では無いのかな?

「例えば川を渡る為に橋を作ったりとか?

今すぐは橋しか思い浮かばないけど、一緒に来てもらえると助かります」

「まあ、俺達は頼りになるだろうな」

「純血種は伊達じゃ無いワケよ」

ありがたい、これで夜安眠できるだろうし、川とか渡るのも楽勝。

心の中でガッツポーズを取ってると、脛をツンツンされた。

『えー、アルジ、アンズが居れば問題無いだろ?』

「アンズは僕の護衛をお願いします」

『あはは、任せて!』

ぴょんぴょん跳ねるアンズは可愛い。

本音は護衛より癒しとして居て欲しいんだけどね。


そうして話がまとまった。

「何だか私達要らない様ですね」

あ、三人との話に集中してて、少し離れた場所で待機して居たシルジット達を忘れてた。

本人達には言わないけどね。

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