おとうと
夭逝したおとうとの存在
私には、夭逝したおとうとがいた。
母の話しによると、私はなかなかおとうとの
事が忘れられず、心配した母が知り合いに
相談した。「それはよくないから、弟さんの
ものを処分しなさい」と言われ、母はおとうと
の写真や衣類等私がしまっていたものまで、
処分してしまった。
"きっと、母も辛かっただろう"
それからは、私は心の中でおとうとに声をかけた。
「〇〇、どうかおねえちゃんを見守っていてね!」
あれから、色んな困難に合う度に「ああ、〇〇が
生きていたら、どんなに力になっただろう」と
思っていた。
最近、ある方と知り合いカウンセリングをうけた。
ここ数年の悩み等を話していたら、
「でも、一番辛い時に命までとられなかったのは
弟さんのおかげだよ」と言われ、ハッと気づいた。
(ソウカモシレナイ、私の回りでは最近いい出会い
が続き、まるで誰かにミチビカレテイル)
私はここ数年、おとうとの墓参りをしていない。
そう言えば、もともとは両親が離婚してしまい、
おとうとのお墓も何処にあるのかがわからない状態
だったが、大人になってから父方の親戚から連絡が
あり、お墓の場所もわかって行き来するようになった。
考えたらそれもこれもおとうとが、天涯孤独だった私を
導いたのかもしれない。
人は気が付かないところで、目に見えない力に
ミチビカレテイルのかもしれない。
ご拝読ありがとうございました。