7話 本物の世界
―しろいせかい。
「よお、また会ったな。」
と、目の前の俺が言う。
「そうか……お前……お前がパラレルワールドの俺なんだな。」
俺がそういった。
「よく分かったじゃないか。ま、大方修から聞いたんだろうけどな。」
―何故こいつがそれを知っている。
「何故、それを」
「修に言われなかったのか?そもそも歌葉を風見さんって呼んでるからだろう?すぐに気付けるさ」
目の前の俺にそんなことを言われる。
―確かに性格とかも違ったな。
「確かにな、風見さんも性格が全然違うし」
俺はそう言う。
「都合よく反対な世界だからな」
もう一人の俺が言う。
「そんな……」
「そういえばお前驚かないんだな。こんなことになっているのに」
少しもう一人の俺が驚いたような顔をしている。
「いや、世界に色が無くなったりしたときはびびったけどね」
俺は苦笑いしながら言う
「まぁ、それは時空を超えてるわけだからなぁ……ま、真実は知らんけどな」
「そうか……」
「おっと、そろそろ時間みたいだぜ。ほら周り見てみろよ。」
そう言われたので周りを見ると
「うわぁ、なんかすげえな世界に色が少しずつついてるよ……」
正直感動した。
色づいていく世界を見て、俺は、何か大切なものをを手にした気がした。
「ま、あとは頑張れよ俺。」
もう一人の俺に言われる。
「お前もなもう一人の俺。」
と、俺が言うと……
再び時が動き出した。
すると目の前に歌葉がいた。
「あ、あの……大丈夫雨原君……?」
歌葉が心配そうな声で聞いてくれるだが、俺は
「うわっ⁉︎」
っと言う声を出してしまう。
「突然そんな声出されても……」
歌葉が怯えたような声を出す。
「あ、ありがとう……風見さん。あの、ここは?」
と言って周りを見渡す。
「何を言ってるの……?ここは校舎裏じゃない……」
歌葉が本気で心配したような顔をしてこちらを見ている。
「な、何でこんなところに……」
ーもう一人の俺は何をしてたんだ……
「何言ってるの……?」
歌葉に本気で心配されている。
「いや、なんでもないよ、ありがとう風見さん」
―とりあえず家に帰ろう。
「じゃあ風見さん俺はこれで。」
「う、うん…じゃあね…」
その声を聞き、俺はもう帰る支度が出来ていることを確認して走って家に帰った。
歌葉の、心配した顔を見ることはなかった。
「今日、あったことを、整理しないと。」
と、言って俺は1日あったことを整理することにした―。
俺は自分の部屋にいた。
「いま、出来ることをやらないと。」
俺は独り言を言う。
―そもそも、あの世界の歌葉と俺、違い過ぎじゃないか?
そう思いながら俺はノートを取り出す、ちなみにまだ使われていない新品だ
ノートに思った事を書き出す。
―世界の色が無くなったりしたのは、恐らく、パラレルチェンジの前兆なんだろうな…
―向こうの修は何故知っていたんだろうか
―パラレルワールドは幾つあるのか
―何故向こうの俺はパラレルチェンジを知っているのか
―そもそも、パラレルチェンジが起きる原因は何なんだろうか。
これらを書き俺はノートを閉じる
―とりあえず、こんなものかな
などと考えていると修から電話が掛かってきた、
「もしもし、俺だけど」
と、修が言うので
「誰ですかねぇ」
と、答えてやった
「そんなことより、パラレルチェンジの話をしないか?」
「な、何で修がそれを?」
思わず驚いた声を出してしまう。
「向こうの康大に言われたんだ。」
「そうなのか…で、何か分かってることは?」
「向こうの康大と向こうの俺がパラレルチェンジを知ってる理由とパラレルチェンジの原因、パラレルワールドが幾つあるのか、ぐらいだな」
「都合が良すぎるぐらい俺が知りたかったこと全部なんだが」
「じゃあとりあえず俺から説明しようか?康大」
「頼む」
「向こうの康大と俺が知ってる理由は、三年位前にお前と向こうの康大が入れ替わったのが原因らしい。その時は俺とお前は気が付かなかったっぽいが、向こうの二人は気がついたらしい。それで二人で色々調べたり仮説を立てたりしたんだと。これがまず理由だな」
「ほう」
「んで、パラレルワールドの数なんだが、仮説だと、最終的には二つの世界らしい。例えるなら、コインの表が出た世界か裏が出た世界か見たいな相対する世界なんだと」
「ほうほう」
「そんでもって原因が心の揺らぎが原因だと仮説されている」
「確かに揺らいだ時に変わったな」
「俺が知ってるのはこんなものかな。次はお前の番だ康大」
と、言われたので俺はあの世界であったことを全て伝えた
「そんなことがあったのか…」
「修はあんまり変わってなかったな。」
「そうか、じゃあまた明日な。」「ああ、じゃあな修。」
その電話を最後にして俺は寝ることにした。
―明日風見さんに話を聞こう。
そう、思った。