表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
magic   作者: 本間
2/5

依頼

数時間前に遡る。

「もしもし」

「こんにちは、グレイ探偵事務室、オペレータールームです。ご用件をどうぞ!」

「ああ、そちらのニコラスさんを呼んで欲しいのだが。依頼を引き受けてもらいたくて。」

「かしこまりました!」

応対したオペレーターの一人がニコラスを呼ぶ。

「ニコラスさん、依頼ですよ!」

「ありがとう、変わる。もしもし?

はい、わたしがニコラスですが…」


次の日

ニコラスは指定された喫茶店で依頼人を待ち続けていた。

「まだか?」

腕時計とにらめっこをしながらせっかくならとコーヒーとオススメのシフォンケーキを頼んだ。

朝からなにも食べていないため、さっきから腹の虫がおさまらない。

待っている間も針は1分ずつ時を刻み、頼んだものが届いた後も終始時計を見つめた。

「すみません、おまたせしました」

数分後、自分の前に現れたのは自身より年上の、

鋭い眼光の男であった。

「どうも」

おじぎをすると男に座るよう言う。

向かいにドスッと腰掛けると男は「言い訳を」と前置きし、

「実は連れが急に用事ができたと。いやあ、若いもんはわかりませんな。とくにあいつは入ってからそんなに経ってませんし、運転手を任せているんですがどうもこうも」

ーああ、わかる。

言い訳もとい愚痴を聞きながらニコラスには思い当たることがあった。

自身の部下であるあの二人。

ホワイトはちょこまか動き、ブラックは危ないことも平気でする。

なにかと世話を焼いてしまう。

「で、依頼のほうですが…」

「え、ええ、実はですね」

思い出したように話を戻し、依頼内用を話し始める。

「行方不明の少年が現在この街に住んでいると聞いて我々捜査員が派遣されたのです。」

「あの事件のですか」

「はい。魔本も彼が持っているのではないかと前から言われていましたが、その魔本から術霊が召喚されたらしく、今はその少年と契約しているのではと。ただし当時は非現実的だとあまり本格的に捜査されてはいなかったらしく、資料集めは難航しましたよ。そして、彼」

すっと取り出された写真に一人の少年、そして筆記体で名前が書かれていた。

ずいぶんと色あせたものである。

「スティーツ、それが彼の名だ」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ