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真っ白

 微笑んだ真っ白な女の子は真っ白な男の所へ走っていった。女の子は俺と同い年くらいだろうか。真っ白なワンピースを着た、髪まで白い、少し不思議な女の子。その隣には金髪で、真っ白な服を着た男が立っていた。小さな女の子とは違って、男の方はすらっとした長身でとても大人っぽい。それよりも絵画のような2人の美しさに見とれてしまった……。

「ねえ、いつまで寝ているノ? 22番」

 俺はそう言われて、ゆっくり立ち上がった。赤い雨になったはずなのに、どこも痛くない。服や体を見てもどこにも赤はなく、俺がいつも着ている学生服のままだった。

「えっ。あの、これってどういうことですか」

俺は思わず、真っ白な2人に尋ねてしまった。仕方がない、ここにいるのは俺と真っ白な2人だけなんだから。

「どうもこうもないでショ。やっぱり、覚えてないんだネ。22番なのに」

 変な話し方、どこかの方言だろうか。語尾だけが急に上がる――。本当に不思議な女の子だ。

「しょうがないでしょう。ここでは、それが当たり前ですから」

 真っ白な男は標準語だったが、どちらも何を言っているのかはさっぱり分からない。

「覚えてるとかじゃなくって。俺は、えっと。ここは、どこですか。俺は確か……」

「雨に、なった。ですよね?」

 真っ白な男が俺の言いたかったことを告げる。その目が少し怖くて、俺はぞっとした。

「そ、そうです。で、ここはどこなんですか」

「ここは、はざまダヨ。22番」

「はざま? あと、その22番っていうのも何ですか。俺は、霧谷巡也です」

「質問ばっかりダネ。だって、ここで名前なんて意味がないカラ」

 頭がついていかず、これは夢かもしれないとさえ思い始めた。いや、夢であってほしいと願い始めたのだ。

「これは、夢じゃありませんよ。現実、です」

 真っ白な男は俺の心を読んでいるかのように、俺がほしい答えをくれる。

「あの、さっきからあなた達の言っていることが理解できないんですけど」

 戸惑いを隠せずにいると、真っ白な女の子が俺の方へ歩いてくる。

「え、え、何ですか」

 思わず後ずさりする俺に向かって、女の子はズンズン迫ってくる。

「レイ」

 顔があと少しでくっついてしまいそうな距離で、女の子はそう告げる。そういったことに興味のない俺でも、顔が少し熱を帯びているのが分かる。

「ワタシの名前、レイ。あっちはゼロ」

「よろしくお願いします、22番の巡也さん」

 ゼロと呼ばれた男は何気なく、俺の名前を告げる。

「よ、よろしくお願いします。って、そうじゃなくて!」

「だって、呼ぶときに不便デショ」

 名前なんて意味がない――、さっきと言っていることが矛盾している。

「さっき、名前は意味がないって」

「ワタシとゼロはどっちも0番だから。名前の方が便利デショ。でも、あなたは22番だから、22番」

「まあ、巡也さんという、素敵なお名前がありますから。そうお呼びしましょう、レイ。それに22番が巡也さんだけとは限りませんからね」

「それもそうだネ。じゃあ、巡也」

 レイに名前を呼ばれ、ドキッとしてしまう自分に腹が立つ。俺は思わず、目を逸らしてしまう。それにしてもさっきから2人の言っていることは滅茶苦茶だ。何の話をしているのか、さっぱり分からない。

「巡也さん、今度こそ決断してくださいね」

 ゼロも、レイと同じように俺の目をまっすぐ見つめる。その目に何かを見透かされているようで、今度は目が離せない。

「あの。それはどういう意味ですか」

 その時、2人の目が変わった。レイのピンクのような、薄い赤い目。ゼロの水色のような、薄い青の目。さっきとは違う、何も感じていないような冷たい目。

「あなたは2番」

と、2人が同時に言う。2人の見つめる先にいたのは、1人の男の子だった。


 その男の子は、俺と同い年くらいの、きれいな金髪の男の子。クリッとした、大きな目で辺りをキョロキョロ見ている。

「初めまして。藤城司ふじしろつかさです。よろしくお願いします」

 藤城司と名乗る男の子は、丁寧にお辞儀をする。俺と同い年くらいなのに、とても落ち着いた子だと思った。

「22番の巡也。2番の司。また、ここに来たばかりみたいだから説明しなきゃネ。また――」

 と、レイは俺達に微笑んだ。俺が初めてレイに会った時のように――。

「私は審判者ゼロ、こちらは審判者レイ。巡也さんと司さんには決断をして貰わなければなりません。今度こそ……。楽しみにしていますよ」

 ゼロもレイのように微笑む。しかし、俺達はただ、レイとゼロを見つめることしかできなかった。

巡也・茜ちゃんに続き、新しい登場人物が出てきましたね♪

それぞれ色や個性が違うので、是非皆さんの好きなキャラクターを見つけてみてください(^^♪


ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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