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変わる色

レイ視点です

視点がコロコロ変わってすみません泣

 世界の間。そこにはたった1人を除いて、何もなく誰もいなカッタ。

「あなたが、レイさんですか?」

「君がゼロ……ダネ?」

 そう、その時出会ったのがゼロだっタ。

「はい。これからよろしくお願いしますね。レイさん」

「レイでイイ。これからはずっと一緒デショ?」

「それもそうですね。では、レイとお呼びしますね」

 ゼロはにっこり笑っていたが、ワタシには何が楽しいのか分からなカッタ。今、ここにはワタシとゼロしかイナイ。でも、これから色々な者がやって来ル……。ふと、周りを見るとピンク色と黄色の花が咲いてイタ。

「ここに来た者達の花が咲くとは聞いていましたが、まさか私達の花も咲くなんて」

 ソレハ枯れることのない永遠に咲き続ける花。花が枯れることを悲しむ者がいるが、永遠に咲き続けるというのも儚いものカモしれない。

「レイ、この花の名前分かりますか? 私は、花に詳しくないもので」

 世界の間に来る前から花や花言葉だけには詳しカッタ。ワタシのいる世界でそんな者はほとんどいなかったので、批判されることも少なくナイ。だからこそ、花を……そして、花を好きでいるワタシを認めてくれたのが単純に嬉しカッタ。

「……黄色の花はルドベキア。花言葉は『正しい選択』。コッチのピンク色と白色の花がプリムラ。花言葉は『運命を開く』」

 ワタシの言葉を聞いたゼロは不気味に笑った。今の言葉の何がおかしいのか、やっぱりワタシには分からなかった。変わったヒト……、ヒトではないから変わり者の方が良いのカナ? ソレがゼロの第一印象。

「正しい選択……運命を開く。どちらも私達にぴったりですね。そういえば、これはどちらがどちらの花なのでしょう?」

「ルドベキアがゼロノ花。プリムラがワタシノ花」

「どうしてそうだと?」

「……何とナク」

 本当に何となくそう感じたノダ。

「ふふ、そうですか。レイはきっとここに来る者達の花も分かるのでしょうね。その花がここに来る者達の導きとなります」

「導キ……」

 導いた先にあるものをワタシ達は知ってイル……。そんなワタシが何も知らない者達を導いて良いのだろうカ? ……ここに来る者はゼロと一緒に行くべきだとオモウ。それがワタシの本心。本当の思いを口にできないまま、ワタシは導かなければイケナイ。

「さあ、もうすぐやって来ますね。仕事をしましょうか」

「ウン……」

 ソシテ、暗闇の中に花が咲く。

「ワタシは審判者レイ」

「私は審判者ゼロ」

 ワタシとゼロは0番。増えることモ、減ることもない「無」の数字。ワタシ達の役目はココに居続け、導くコト。ココに来る者達に選択肢を与えるのに、ワタシ達には選択肢がナイ。



 ソシテ、ここにたくさんの者達がやってクル。それと共に、闇の中に花畑がウマレル。何もなかった無の空間にはタクサンの花が咲くようになった。ゼロと共に行くモノ、ワタシと共に行くモノ、ずっとここにいるモノ。すぐに決める者もいれバ、なかなか決められない者もイル。そして、ココに来たことを認めない者もイル。ワタシは何度も何度も運命の時を迎え、審判を下しタ。数えきれない程の者達に正しい選択を与エ、運命を開いた。運命を開いた者は自分の花と共にイク。誰かが行っても、また新しい花が咲く。そのクリカエシ。ココに在り続ける花畑はどんどん色を変えてイク。



 でも……そんな花畑でもずっと変わらない花がアル。ワタシとゼロの花――。ここに来る者達は変わってイクのに、ワタシ達は何もカワラナイ。ワタシの花を見る度に思ってシマウ。

≪どうしてワタシはココにいるの?≫

 ここにワタシ達がいる意味。

「レイ、どうしたんですか? あなたがそんな顔するなんて珍しいですね」

「いつもの顔だよ」

 そんなことを考えているうちにどうやら変な顔をしていたラシイ……。

「分かりますよ、これだけずっと一緒にいれば。レイも私のこと、分かるでしょう?」

「……ワカラナイ」

「はは、よく言われます。私、そんなに分かりにくいですかねー。それで、何を考えていたんですか?」

「……」

「私には話せませんか? ……少なくともここに来る人よりはあなたのこと、分かると思いますよ」

 きっとワタシの気持ち、ゼロ以外にはワカラナイ。ずっとココにいる者じゃないとワカラナイ。

「……ゼロはどうしてココにいるの?」

 ゼロは珍しく、少し驚いたような顔をシタ。でも、他の者から見ればゼロの顔は何も変わっていなかったかもシレナイ。やっぱり、ワタシもゼロのことなら少しは分かるミタイ。これだけずっと一緒にいれば当たり前カナ。

「どうして、ここにいるのか……。簡単ですよ。前任者の役目が終わり、私達にその役目が来た。ただ、それだけです。私達も、その時が来ればこの役目も終わる」

「イツ?」

「永遠のずっと先、でしょうかね」

 そんなの答えになってナイ。

「……この花も、いつかは枯れるということですよ」

「本当ニ?」

「きっと。永遠に咲く花も、永遠のずっと先までは咲くことができないんですよ。私達はこの花が枯れるのを待たなければいけない。……でも、それも何だが悲しいですね。枯れるのを待つなんて」

「……ソレデモ。それでも、ワタシは枯れるのを待つ。この花が変わるのを待つ――」

 ワタシがそう言うト、ゼロがまた笑い出す。ゼロがよく笑う理由……最近はチョットダケ分かるようになってきた。

「良いですね、それ。変わるのを待つ。そのために私達はここにいるのかもしれませんね」

「花やココに来る者達は変わるノニ、ワタシ達ハ……」

 変わる世界の中でワタシ達だけが止まってイル。すると、ゼロから思いがけない言葉が返ってキタ。

「……変えれば良いんですよ」

「え?」

「私達の役目はここにいること。でも、変わらない必要はありません」

「ワタシは……」

「レイにも気持ちはあるはずです。だから、あなたは共に行く人を思っているのでしょう? それで、良いじゃないですか。レイも自分の思うようにすれば良い、私はそう思います」

 ワタシの思うように……。そう言われると自分が何をしたいのか、ワカラナイ。

「ゼロは……ナニをしたいの?」

「そうですねー。私は変わらないことも1つの選択だと思っていますから。ずっとここにいらっしゃる方達のように。でも、レイが変わりたいと思っているのなら、あなたの運命だって開くことができるはずです」

 ワタシも変わることができる……カナ。

「少しずつで良いんですよ。どんなに変わっても、レイはレイですからね」

 ゼロはそう言うと、ワタシの頭を撫でてクレタ。誰かにこんなことをされたのは初めてダッタ。こんな気持ちになるのはゼロだから……ナノカナ?



 ワタシを変える……そう思っていても、ワタシの花は相も変わらず咲き続けてイル。そんな時、ワタシはある人にデアッタ。それが11番……今はダケド。11番は自分でここに来たミタイ。そして、何度も選択しないことをエランデイル。でも、こういう人は少なくないからワタシは何も気にしていなカッタ。他の人と同じヨウニ何度か話しただけ。でも――。

≪レイは友達だから≫

 11番から言われた言葉。トモダチ……。変わらないはずのワタシが少しだけ、本当に少しダケ、変わってしまった気がシタ。ダッテ、ワタシは初めて11番に進んでほしいって思ったノ。ゼロと一緒に行ってホシイ、ワタシのところに来てほしくナイ、そうじゃなくて……。ただ、進んでほしいってオモッタノ。


ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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