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宿泊先

「ふあー!今日はつっかれたー!」


「佳苗ちゃんははしゃぎすぎだよ…」


「常時テンション高かったよなお前」


「だってだってさー!目新しいものばっかなんだよ!?テンション上がるっしょ?」


「傍から見たら発狂してるんじゃないかってレベルだったが」


「嘘!?さすがにそこまでは…だよねっ!?千夏!?」


「え!…あ、うん、まあ…」


「そこは否定してくださいよ千夏さああん!」


今いる場所は宮島である。

厳密にはそこのホテルである。

まあ要するに、

本日のイベントを終えてきた。


「とりあえずまずは夕飯ですよね!」


「あれ?もうそんな時間だっけ?」


「そんな時間なんですよねこれが」


ホテルについてからそう時間が経っているわけではないが、

時間的にはそんなもんである。

修学旅行の日程ってかなり押し込みだし。


「じゃあそろそろ行こうか?」


「そーしましょー!」


ということで部屋の外に出た。


「ところでちなっち。行先はどこ?」


「え?知らない」


「え?」


「え?」


「…」


「…」


「二つ下の階だそうですが」


「…あ、うん!そうそうそうだった!ナイスしげみっち!」


「ちょっと見せて」


「はい」


「…あ、あそこだね。こっから見えるよ」


中央ホールが吹き抜けになっているので

ちょうど行くべき部屋が良く見えるのである。

まあ見えてようが、

行先として認識してなきゃ意味ないが。


「じゃあこんどこそいくぞー!」


「あ!佳苗ちゃん待っ…行っちゃった」


「なんかこういう時のあいつって周り見えなくなってる気がするんですけど俺の気のせいですかね」


「いや、たぶん気のせいじゃないと思う」


佳苗が消えていった階段を見ながらつぶやく二人。


「…それじゃ行こうか?しげちゃん」


「え!あ、はい!」


思いがけず二人きりである。

たまたま階段に二人以外いなかったので。


「私好き嫌い多いから、いらないものあったらあげるね」


「え、いいの」


「うん、むしろ私よくそうしてもらってたから」


「えと…その誰に?」


「え?優美ちゃん」


「あ、優美ちゃんか」


中学時代の記憶である。

結構高確率で千夏が食べれないものは、

優美が回収していたものである。

なお現在はそもそも料理担当が千夏の時点で、

そもそも千夏が食べれるものしかでてこないので、

そういったことは起こっていない。


「ちなっちー!こっちこっちー!」


「茂光―!こっちだー!」


食事するために大部屋に入ってみたら

そこに待ち受けていたのは男女綺麗に分かれた席であった。


「…うーん?これはしかたないね」


「ぐぐ…だがさすがにこの中で一人そっちに行くのは無理だ…!」


「いいよいいよ。別におんなじ部屋の中だし。それじゃまたあとでねー」


というわけでさすがに分かれる二人であった。


「む…やっぱり食べれないものが…どうしよ」


さすがに男女間では距離が開きすぎているのでちょっと立って渡してくる勇気はない。


「んー?ちなーどうかした?」


さらっと隣から喋りかけてきたのは、

学校では割と付き合いのある谷口千佳であった。


「あ、いやちょっと食べれないものが…」


「ん?そんなら私が食ったげるよ!どれどれ」


「えーとこれとこれ」


「おや、完璧美少女かと思っていたけど…意外なとこに弱点発見だね」


「そんな、私全然完璧じゃないよ?」


「む、それは私に対する挑戦か?いきなり転校してきてクラスの男子の半分は骨抜きにしといてよく言うよ」


「ふぇ!?何それ!?」


「え?何気付いてなかったの?」


「は、初耳ですけど…」


「とりあえず聞いた話だけど、去年あんたがうちのクラスに入ってきたときからもう半分くらいは持ってかれたみたいだよ?」


「え、それほんと?」


「まだまだ、それ、あくまでも去年のクラスだけの話だからね?学校全体ならもっといるよ?」


「え…初めて知った」


「あはは、千夏もしかして意外とそういうの鈍感?」


そりゃ鈍感である。

もともとその手のことにはあんまり鋭くないが、

そもそも元の性別とずれてるのに気付けるかと言う話である。

つまり学校入学当初から、

千夏の野望は半分達成していたわけである。

美少女ってお得。


「ふーお腹いっぱい」


「…ふご、食いすぎたかも…」


「お前毎回食いすぎなんだよ」


というわけで夕食が終了して

部屋に戻ってきた三人である。

ようやく一息といった感じである。

少々時間がとれるので。


「テレビつけよーっと」


「あんまりうるさくするなよ」


「しないって、耳が遠いわけじゃあるまいし」


が、まあ当然と言うか、

そうやることがあるわけでもないので

結局おしゃべり上等である。


「…あ、優美ちゃんに連絡しなきゃ」


「あれ、そんなこと言われてるの?」


「優美ちゃんそういうとこは心配性なんだよ」


「へー、でも心配してくれるのはいいことじゃない?」


「まあね。でも連絡すっかり忘れてた」


「駄目じゃん」


「まあまあ、大丈夫大丈夫」


というわけで連絡を送ってみる千夏。

電話するほどではないのでメールである。


「…顔文字多いですねー千夏さん」


「え?あー…癖かな昔っからの」


千夏は昔っから一部相手とのメールで顔文字をよく使用していたので、

その名残である。


「お、返信きた。なんて書いてあるのー?」


「えーっと、生きてたか。こちとら今から来る夜が怖くてヤヴァイって書いてある」


「みじかっ!?というか生きてたかって」


「こういうのはノリなんだよ。前から」


実際昔からの二人のやり取りもかなり適当である。

普段の会話以上に軽いノリである。


「…というか優美ちゃん、もしかして暗いとこ駄目なのか」


「え、なにそれ可愛い」


「うーんなんか前から駄目だって言ってたよ?」


「あんなに気が強いのに…」


「こら、優美ちゃんだって女の子なんだからそれくらいあってもおかしくないでしょー」


なお、昔からなので、性別関係ない。


「…ん、というかそろそろお風呂じゃない?」


「あ、ほんとだ!じゃあちなっち行こ!」


「ちょ、用意用意」


今にも引きずっていきそうな佳苗を押しとどめて、用意だけ持って大浴場へ。

当たり前だが茂光は別行動である。

さすがにここはもうどうあがいても別れるしかない。


「…来ちゃった」


「え?どしたの?」


「…いや、なんでも」


当然千夏が向かったのは女子更衣室、並びに女風呂。

男どもの夢の場所である。

まあ実際夢が詰まってるかは謎だが。


「ほら早く早くー!」


「いや、ちょっと待って!自分で脱ぐからっ!」


そうして佳苗に剥かれる千夏。

そりゃもうとんでもなく恥ずかしい。

単純に裸見られるのもそうだが、

女子に剥かれるとか恥ずかしすぎる。


「ぐふ…風呂に入る前に疲れた…」


すでにだいぶズタボロである。

が、そこに浴びせられる視線の数々。

羨望の眼差しが嫌と言うほど飛んでくるのである。


「…いやーちなっち。スタイルいいわほんと」


「え、そ、そうかな」


「抜群のプロポーションですね!何したらそんなになるのさー」


飛ばされたときからこんな感じである。

まあ手入れは多少なりともしているが。


「さてと…優美ちゃんは膝の上に乗せたけど…」


「そんなことしたの!?」


「したよー。顔真っ赤にして可愛かったよ?」


「いやそう言う話ではなくて」


「というわけでちなっちは…」


「いや、何がどういうわけなの。なんでこっちに迫ってくるの。シャワーの席空いてるよ?」


「後ろに回ってこうじゃ!」


「ひゃっ!ちょっとどこ触ってるのさ!」


まあ言わずもがな、

体の中で一番出っ張ってる部分。

胸を思いっきりもまれただけの話である。


「まあまあそう言わずに、というかちなっち胸も大きいんだよねえ、ちょっと嫉妬しちゃうぞ」


「ちょっとで済んでない気が…うにゃ!」


「あははーナンノコトカナー」


その後も大浴場内で佳苗に遊ばれた千夏であった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 高校生の修学旅行で、男女同室はしないと思います。: 部屋に戻ってきた三人である。
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