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次世代掃除機

「私もPC欲しいです」


「…せやなぁ。やっぱいる?」


「いるですね」


「そうか。じゃあ買うか」


「あれ?あっさりだね。今日なんかの記念日だったりするの?」


「節分が近づいてきた日」


「要するに何にもないじゃないですか」


「まあでも実際俺が自分の部屋にPC置いちゃってるしな。いるだろ新しいの。ちょうどいいから話出たんだし買うべ」


言ったが即行動である。

というわけでそろそろ行くことにも慣れてきたいつもの電気屋へと向かう。


「ここ来るの何回目だし」


「さあ?とりあえずなにかと来るよねここ」


「近い割に結構でかくて広いもんなここ」


そのまま前も来た記憶のあるパソコンゾーンへ。


「む、内装変わったのか」


「なんか位置変わってるね」


「まあ割と来てるとは言えどパソコンエリアにくるのは久しぶりだしな」


そう言いつつパソコンの方へ。


「とりあえず何買う?」


「本日のお財布は」


「とりあえずだいたいのパソコンなら対応できると思われるくらいは持ってきた」


「具体的には」


「30万」


「おお。けっこういいもの買っても大丈夫ね」


「倹約分をここで放出する」


「でもこの状況って襲われたらやばいね」


「だな。カモがネギしょってやってきてる。完全に」


「美少女をとっつかまえたら金まで出てくるんですね」


「この金で何買うつもりだったんだぁー?みたいなね」


「怖いね」


「怖いですな」


「気を付けねば」


「まあよっぽど無いとは思いたいけどね」


「あったら困る」


「うん。それはまあ」


そのままパソコンエリアをうろつく二人。


「とりあえず買うならデスクトップなのです」


「やっぱりか」


「まあどうせ買うならね」


「前もお前デスクトップだったもんな」


「優美ちゃんは前からノートだよね」


「うむ。もうなんか買ったノートが性能割と高めだったから正直他のPCいらねえやってなったっていう」


「へー」


「まあ性能高いのほしくなったけどね」


そうして二人が目を付けたのは20万とちょいな感じのデスクトップPCである。


「これか?」


「これかな」


「じゃあこれで」


「即決ですね」


「まあ見た感じの性能も一番高いし」


「うん」


「これでいいよね」


「じゃあ買うのです」


「店員連れてくるか」


「行ってらー」


「俺が行くことは確定なのかよ」


そうして店員を連れて戻ってくる優美。

そのまま購入手続きを終わらせて先ほどのパソコンの前まで戻ってくると千夏がいない。

どこかに行ったようである。


「…おいおい。どこいったんだよ」


しかたないのでそのまま探し出すことにする優美。

と言ってもここは広めの電気屋。

そうそう簡単には見つからない。


「ちなつー!ちなっつー!」


電気屋を大声あげながら歩いていく優美。

こういうところには恥は無い。


「ちっくそどこ行ったんだあいつ」


そのままうろうろして行くうちにお掃除エリア。

果たして千夏がそこにいた。


「あー、もうどこ行ってたのさ」


「ここ」


「見れば分かる」


「歩いてたら優美ちゃんがどっか行っちゃうんだもの」


「俺は何処にも行ってねえよ。むしろおめえがどこ行ったか分からなくてうろうろしてたんだよ。つーか声聞こえただろ」


「聞こえてたけど」


「返事してよ」


「え、なんか嫌じゃん」


「声張り上げてた意味ないじゃん」


そのまま千夏に近づく優美。


「というか携帯にも電話かけたんだから出てください」


「え、あの携帯持ってきてない」


「おい。意味ねえじゃねえか」


「持ってくる習慣が無いんですよね」


「本気で意味ねえし」


そのまま千夏の横につく優美。


「それでこれはいったい?」


「ルンバさんが実演されてるです」


ぶおーんと。

ルンバさんの実演会である。


「どうでもいいんだけどさ」


「うん」


「ルンバってなんか見てて可愛くないっすか」


「可愛いよね」


「ペット感覚」


「でもイナリいますよ」


「しっとる」


なおもルンバを見続ける二人。


「…」


「…」


「置き場所あるっけ?」


「えーっと、台所と廊下とか」


「ああ。和室はどうなんだ」


「どうなんだろ」


「まあいいか。置かなきゃいいし」


「うん」


「じゃあ買うか」


「買うの?」


「買わね?」


「いいよ。買っていいなら。でもお金大丈夫?」


「ちょっと安くしてもらったから余裕ある。大丈夫だ」


そうしてそのままノリでルンバまでも購入してしまった二人である。


「買っちまったよ」


「買っちゃったね」


「まあいいけどね。節約してきたから」


「放出の時間ですね」


「まあ節約とか言いつつみかん箱買いしたりしてるんだけど」


「節約とはなんぞや」


「さあな。とりあえずこいつを家で走らせたい」


「買ったからには走らせるです」


「まあ廊下普段から走ってると邪魔だから普段は台所に封印と言うことで」


「そうだね」


「あ、あとPCさんは家に来るの一週間後だから」


「肝心の物体が来るの遅いという」


「仕方ないね」


その後家に戻ってさっそくルンバ先生を起動する。


「おー、走り出した」


「本当にお掃除してくれるんですかね」


「さあ?まあ可愛いからいいんじゃないですかね」


「愛玩動物じゃあないですよ?」


「知ってる」


とりあえず廊下を走らせてみる。


「おー。走る走る」


「なんで優美ちゃんはついていってるんですかね」


「なんか気になる。あと可愛い」


「ルンバフェチ?」


「なにその新しいフェチ」


廊下が長いのでなかなか直進していく量も長い。

見ていてなかなか壮観である。


「というかちゃんとお掃除されてるね」


「まあお掃除ロボットですしおすし」


「実用的だな」


「まあ仮にも高いお金出してるですし働いてくれなきゃ困るです」


「さてと、とりあえず台所戻すか」


「そうだね。あ、イナリにも見せてみよ」


「しっぽ食わせるなよ」


そうして狐のイナリを連れてくる千夏。


「新しい家族かっこだよイナリ」


「まあ生きてないけどな」


ルンバを見ながら怖がってるのか怒ってるのかそう言う感じのそぶりを見せるイナリ。


「あら、敵と認識してねえか」


「まあ異物であることは確かだしねえ」


ルンバの前に落とせば結構すごい勢いで威嚇のような行動をとっている。

どうやら敵と認識されてしまっているようである。


「駄目じゃなこら」


「まあ初日なんてこんなものですよ」


「ルンバと狐の熱い友情の物語とか」


「どんなお話ですかそれ」


「さあな」


数日間たったところ、ルンバが走ってきてもイナリが反応しなくなった。

慣れたようである。


「なれたみたいだな」


「意外と早かったね」


「ルンバのなんとも言えない動きに飲まれたな」


「なにそれ」


なおPCが来たのはそれから4日後のことである。

ルンバは相変わらず台所を走っていた。


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